2016年度入学試験(前期日程)が2月25、26日に実施され、計8589人が受験した。大学入試センター試験の結果に基づく第1段階選抜は、本年度は文Ⅰ・文Ⅱ・理Ⅱの3科類で実施されなかった。複数科類で第1段階選抜がないのは理Ⅰ・理Ⅱで行われなかった91年度入試以来で、文Ⅱで第1段階選抜が行われないのはセンター試験が導入された90年度入試以来初めて。理Ⅰ・理Ⅲでは平均点が800点を上回った。
昨年度と比べて、文Ⅰ・文Ⅱ・理Ⅱの志願者数はそれぞれ103人、47人、223人減少。文Ⅰ・理Ⅱでは予告倍率をわずかに上回る倍率となったが、第1段階選抜は実施されなかった。文Ⅱでは倍率が2.97倍となり、予告倍率の3倍を下回った。
昨年度選抜が実施されなかった文Ⅲでは志願者数が244人増加。文Ⅰ・文Ⅱの減少分を上回り、文系全体で志願者数は94人増加した。文Ⅲの第1段階選抜合格者の最低点は3年ぶりに700点を上回った。文Ⅰ・文Ⅱの志願者の最低点はそれぞれ257点、314点だった。
理系では、理Ⅱに加えて理Ⅰでも志願者数が昨年度に比べ102人減少。理Ⅲの志願者数は65人増えたものの、理系全体での志願者数は260人の減少となった。平均点は理Ⅰ・理Ⅲ共に800点を超え、最低点は理Ⅰで昨年度並みの728点、理Ⅲは昨年度比39点増の694点。理Ⅱの志願者の最低点は265点だった。第1段階選抜合格者のうち、最高点は理Ⅰ・理Ⅲの890点、最低点は理Ⅲの694点となった。
16年度入試では、昨年度に続き総合図書館の工事の影響で本郷キャンパス弓道場前での合格者番号の掲示が実施されない。合格者番号は東大のウェブサイト(http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/h28/0310.html)への掲載と電子郵便でのみ通知される。前期日程試験の合格者番号発表は10日正午ごろの予定だ。前期試験の合格者数には推薦入試の不足分が繰り入れられるが、科類ごとの追加人数は公表されていない。
開く直前の正門には受験生の列ができた=2月25日午前8時ごろ、本郷キャンパスで(撮影・西村直人)
初日の試験が行われた2月25日は肌寒い一日だった。理科生の会場となった本郷キャンパスでは予定の8時20分より20分ほど早く開門。開門直前は正門前に約100人の受験生が並んでいたが、開門後大きな行列はできず受験生は円滑にキャンパスに入れた。
都内から来た理Ⅱ志望の女子学生は「後期課程はスポーツ科学を学ぶため教養学部に進学したい」と述べた。文Ⅰを受験する男子学生は「法学部に進んで国際法を勉強し、外交官を目指す」と話した。
試験当日の朝の応援活動は、基本的に本郷・駒場共に禁止された。本郷キャンパスの正門前では、東大本部の許可を得た学生団体がティッシュペーパーなどを配布した。
この記事は、2016年3月3日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。