いよいよ入試本番。東大での愉快な生活が間近に迫っている。今回話を聞いたのは、東アフリカのウガンダにおける野球活動を支援する日本で唯一のサークル「ウガンダ野球を支援する会」で活動する土屋完太さん(文I・2年)。キャンパスライフの一例として参考にしてみてはいかがだろうか。(取材・管原秀太)
──ウガンダ野球を支援する会の活動内容について教えてください
ウガンダにおける野球活動を支援するべく、学園祭で販売するコーヒー売上金や譲渡された野球用具を現地に寄付しています。年ごとに活動内容は変化しますが、過去にはAYWD株式会社が主催するピッチコンテストに出場したこともあります。不定期に行うウガンダへの渡航を通じて現地の人々との繋がりを築いており、SNS上で彼らと連絡を取り合いながら活動しています。例えば、当団体の公式インスタグラムではウガンダ人選手が実際に野球をプレイしている動画を投稿しているのですが、これは現地の人々から当団体が独自に入手したものです。
──土屋さんはどのような活動を
日本の独立リーグでプレイするウガンダ人選手を支えるために、従来の活動に加えてクラウドファンディングや街頭での募金活動も実施し、資金集めに注力しました。長期休暇期間には球団がある北海道・旭川市を訪問し、選手と一緒に観光を楽しんだこともあります。2024年の9月には、元プロ野球選手・監督の工藤公康さんによるご協力を得てウガンダ人選手3名を野球合宿に招き、技術指導を受けていただきました。工藤さんとは団体創設当初の14年から関わりがあり、私が改めてコンタクトを取りました。24年の駒場祭でも講演を行ってくださいましたね。加えて、InstagramやnoteといったSNSで活発に投稿を行うようにしています。
──続いて、受験期について教えてください。ウガンダ野球には東大入学前から関心があったのでしょうか
ウガンダ野球やウガンダについて、当時は全く関心を持っていませんでした。東大を志望したのも進学校に通っていたが故の自然な成り行きです。1年間の浪人生活を経て入学しました。
現役生の頃は採点も含め自分の中で勉強を完結させていたのですが、浪人期には他人に頼るようにしました。自分の弱点に一人で気付くことは難しいと感じたからです。加えて、週に1日だけ息抜きの日を設け、メリハリをつけて勉強することを心がけました。結果として、無事に合格することができました。
──東大に入学後、ウガンダ野球に興味を持ったきっかけは
ウガンダ野球を支援する会の存在を知ったのは、教室に置いてあったビラがきっかけです。物珍しさで食事会に参加し、そこで出会った先輩方の人柄に引かれて入会を決めました。駒場祭と五月祭の出展責任者を務めた際に、ウガンダ野球の振興に情熱を注いでいらっしゃる卒業生・諸先輩方と話す機会があり、次第に自分もウガンダ野球に深い関心を持つようになりました。
──活動を行うなかで感じたやりがいや面白さについて教えてください
ウガンダ野球の支援という異質でニッチな活動に参加しているからこそ、ほかでは得られないような刺激に富んでいると思います。コミュニティ内で世界観が独特なままに保たれているのが魅力ですね。活動を継続していく中で関わる人も増えていきますし、ときにはそうした人たちとたわいないコミュニケーションを取ることもあります。人との関わり合いを通じて得られる喜びが活動のやりがいです。
──今後の展望を教えて下さい
ウガンダ出身の野球選手として史上初の日本野球機構(NPB)プレイヤーを輩出することを目標としています。そのために、有望なウガンダ人野球選手が早い段階から十分な環境で野球ができるように我々としても支援活動に励んでいく所存です。
──受験生へのメッセージをお願いします
大学での環境は高校と大きく異なります。今まで想像もできなかったような世界が、数多く目の前に広がっています。大学入学後は見つけ次第様々な活動に挑戦して下さい。そうする内に自分が本気で打ち込めるものが分かってきます。
受験生の皆さんは大変な思いをしてここまで来られたことと思いますが、大学生活への期待を忘れずに最後まで走り切っていただきたいです。応援しています。
