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2021年4月12日

藤井新総長、新役員ら就任 理事の過半数が女性に

 4月1日、第31代東大総長として藤井輝夫総長が就任した。任期は2027年3月31日までの6年間。同日には新執行部の体制や新部局長も発表され、非常勤を含む8人の理事のうち5人が女性となった。部局長は11人が交代した。3月31日に退任した五神真前総長は東大大学院理学系研究科教授となる。

 

 藤井総長は就任した1日、東大のウェブサイトに就任挨拶を公開。東大の新たな在り方を開拓するための重要な行動の一つとして対話を挙げ「東京大学は、立場や価値観が異なる人と人との間で、あるいは大学と社会との間で、さらには国際社会のなかで、対話することを重視します」とした。また研究・教育・事務業務などの面でデジタル革新が進んだデジタルキャンパスを実現させ、教職員の時間や業務の質を向上させることで、東大を世界の誰もが来たくなる学問の場にしていくことを目指すと、今後の抱負を述べた。

 

 同日に理事・副学長に就任したのは①相原博昭氏(経営企画、財務、社会連携・産学官協創担当)、②大久保達也教授(総務、教育、施設、情報担当、東大大学院工学系研究科)、③齊藤延人教授(研究、懲戒、病院担当、東大大学院医学系研究科)、④藤垣裕子教授(学生支援、入試・高大接続、評価、研究倫理担当、東大大学院総合文化研究科)、⑤林香里教授(国際、ダイバーシティ担当、東大大学院情報学環)――の5人。理事には①里見朋香氏(事務組織、法務、人事労務、コンプライアンス担当)、②石井菜穂子教授(非常勤、経営改革特命担当、東大未来ビジョン研究センター)、 ③岩村水樹氏(非常勤、総長ビジョン推進担当)の3人が就任した。

 

 理事以外の役員などのうち執行役・副学長には太田邦史教授(東大大学院総合文化研究科)、佐藤岩夫教授(東大社会科学研究所)らが就任。藤井総長が3月まで務めた社会連携本部長には津田敦教授(東大大気海洋研究所)が就く。

 

 藤井総長は東大大学院工学系研究科出身で07年から今年3月まで東大生産技術研究所教授。総長補佐、生産技術研究所長、大学執行役・副学長などを歴任し、昨年度までは理事・副学長、社会連携本部長を務めた。専門は応用マイクロ流体システム。

 

 相原理事・副学長は濱田純一元総長体制の最終年度である14年度以来の理事・副学長就任。昨年度まで東大大学院理学系研究科教授を務め、3月に定年退職した。大久保理事・副学長は昨年度からの続投となった(昨年度は教育、学生支援、施設担当)。齊藤理事・副学長は昨年度まで東大 大学院医学系研究科・医学部長。18年度までは医学部附属病院長も務めた。藤垣理事・副学長は科学技術社会論が専門。過去には科学技術庁(当時)での勤務経験もある。林理事・副学長は昨年度まで総長特任補佐を務めた。

 

藤井総長が新型コロナ感染

 

 東大は5日、藤井輝夫総長が同日に新型コロナウイルス感染のPCR検査を実施し、陽性と判定されたことを公表した。体調不良のため3日から自宅療養中だったという。現在症状は軽症で、発表した5日現在では東大医学部附属病院に入院中。濃厚接触者などの情報については調査中としてい る。12日に日本武道館で挙行された学部・ 大学院入学式では総長式辞が予定されていたが、相原理事・副学長の新入生へのお祝いのメッセージに変更された。

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