就活

2021年2月15日

【オンライン卒業生訪問】東大卒業生・採用担当者に聞く就活のポイント ③ペプチドリーム

 就活では多くの企業を見た上で進路を選択することが重要だ。今回はさまざまな業界の6社に取材をし、卒業生には現在の業務内容や就活のポイント、採用担当者には企業の魅力や求める人物像について聞いた。

(取材・黒田光太郎)

 

ペプチドリーム

「面白そう」な企業で製薬研究

 

清水光(しみず・ひかる)さん(先端開発グループ)18年薬学系研究科修了

 

 ペプチドリームは2006年に設立された創薬企業だ。清水さんの仕事は薬が人体の中のタンパク質にどのように結合するかを調べること。薬が多くの人に使われることが仕事のやりがいになっていると語る。

 

 就活を始めたときにはコンサルティング会社など他の業種も考え説明会などにも参加していた。しかし、それらの企業には自分は求められていないと感じ、最終的には自分の専門分野と同じ研究をしているペプチドリームに決めた。大学に残ることもできたが、同じ場所に居続けると自分の能力がどの程度かわからなくなると思い、環境を変えて企業での研究に挑戦することにしたという。

 

 学生の頃と違うのは研究にチームで取り組むことだと語る。学生の間は個人プレーで研究していたと話すが、企業に入ればチームの「総合値」の最大化を考えなければならなくなった。ここで必要になってくる「コミュニケーション力」は学生の頃、専門の異なるサークルの友人たちに自分の研究について話すことで身に付いたという。

 

 就活の時には、自分が「面白そう」だと思えることを最優先したと振り返る。清水さんがペプチドリームを面白そうだと感じたのは、ペプチドリームにはさまざまな特許技術があり、ここでしかできない研究があると思ったからだという。自分のしたいことと企業の求める人材像とが一致するかどうかも重要な基準だったと語る。

 

 情報収集には企業のホームページを利用することが多かった。「くまなく読むことで多くの情報が得られ、企業が求める人材像やそこでできることが見えてきます」

 

 就活を控える東大生に向けて「大企業だけではなく、ベンチャー企業も考えてほしい」と語る。「大企業かどうかではなく、その企業の将来性などを重視してほしいです」

 

【人事の声】

プライドの持てる研究

 

 ペプチドリームは、数兆個の特殊環状ペプチドの中から創薬につながる候補化合物を素早く見つけるという独自の技術を保有する、東大発のバイオベンチャー企業です。この技術を駆使し、多くの製薬企業との共同研究や、自社独自の創薬研究をしています。

 

 開発コストの負担から国内の創薬研究が拡大しにくい現在、独自技術の提供を通じて、各社の探索研究に関わることができるのは研究者として貴重な経験だと思います。また、共同研究を通じて海外のさまざまな研究者と接することができるのも魅力の一つです。

 

 社員はここで働けることに誇りを持っています。創薬を通して社会に貢献することが、社員のプライドにつながっているのだと思います。

 

 学生の皆さんには専門性の確立を求めています。加えて自分のやりたいことに積極的に取り組む姿勢を持っている方を歓迎します。(談・小村亜紀さん、経営管理部)

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