東大は7月8日から開始された新型コロナウイルスのワクチン学内接種について、7月15日、国からのワクチン供給に「一定の目処」がついたと学生に通知した。7月30 日にはワクチンが「安定的に確保」できる状態になったとして予約枠の拡大を通知。開始当初は供給不足が続いており、7月5日には接種計画の大幅な変更を発表していた中での対応となった。
東大に対する東京大学新聞社の取材によると、ワクチンは国より週ごとに供給されている。今後は1日あたり最大で1600人(回)分の接種を想定しており、全希望者が2回分を接種できるのに必要なワクチン数が供給される見込みだ。7月30日までに学生5262人、教職員ら2340人の計7602人が1回目の接種を完了した。学生全体の約2割が学内で1回目の接種をしたことになる。
ワクチン接種を考えている学生に対しては、感染予防、重症化の抑制、他者へ感染させる可能性が極めて低いなどの効果が報告されていることから「自分自身を守り、家族や友人など大切な人を守るためにも、是非ワクチン接種を受けていただきたい」と呼び掛けた。
ワクチンの学内接種は本郷キャンパスの山上会館で実施されている。東大の学生や教職員の他、東大に出入りしている研究生・研究員、東大で業務を行う委託業者なども接種の対象となる。接種開始に当たっては6月16日から6月25日まで希望調査を行い、7月1日に特設ウェブサイト上で予約が始まったが、予約が取りにくい状況が続いていた。7月5日に接種計画が変更になった際は「早めの接種が可能であれば、自治体等での接種も」検討するよう呼び掛けられていた。
【学内接種をした学生の声】
最初は接種する気はなかったが、デルタ株の流行と地元での接種のために間隔を空けて2回も帰省する手間を考えると学内接種がベターな選択肢と思えたので学内接種を決めた。会場での接種の流れは全体的にとてもスムーズだった。会場の山上会館では1階に受付があり、2階が接種会場。受付を終えて2階に上がると流れるようにブースに案内されてすぐに接種した。接種後は15分間座って待機して終了した。副反応については、打った直後は全く痛みがなかったが、時間が経つに連れて左腕がどんどん痛むように。ずっとツネられている感覚。翌日の昼ごろに微熱が出て倦怠(けんたい)感がある状況だった。(談)(工・3年)
元々何らかの形でワクチンは接種したいと考えていた。そこで学内接種、大規模接種会場、区の集団接種の三つの可能性を考えていたが、学内接種の枠が増えたことで学内接種を決意。私が所属する学科のSlack(ビジネスチャットツール)ではワクチン枠の情報が割とこまめに共有されていて、私もその情報で枠があることを知って予約を取れた。山上会館では、受付をしてから5分後にはもう打ち終わっていた。基本的に皆一人で来ているので喋るなどしている人はいなかった。接種後は15分待機したが、友人によるとアレルギーがある人は 30 分待機らしい。副反応としては、ワクチンを打った左腕の痛みがあった。正午ごろに接種したが、午後5時ぐらいから痛み出して、夜には腕が持ち上がらないほど痛かった。接種日の翌日には少し痛みが和らいで、翌々日にはほとんど回復した。また、同じく接種日の午後5時ぐらいに37.0度、夜に37.3度の微熱が出たが、翌日の朝には平熱に戻った。(談)(文・3年)
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