東大は6月25日、新型コロナウイルスワクチンの学内接種に関する東京大学新聞社が行った問い合わせに回答した。ワクチン接種を希望する学生、教職員ら全員が学内で接種できるようワクチン確保を進めていることが明らかになった一方で「さらに詳しい情報は近々接種予約を開始しますので、その際にご確認ください」とし、接種に関する国への申請状況などの事項については回答がなかった。
東大におけるワクチン接種を含む大学拠点接種は接種に関する地域負担軽減のための「職域接種」として実施されるが、職域接種を管轄する厚生労働省は25日午後5時で職域接種の新規受け付けを一時中止している。ワクチンの出荷可能な量を超えることが見込まれるためであるというが、東大は25日を締め切りとして構成員向けにワクチン接種を希望するかの調査を実施していた(当初は23日が締め切りであったが延長)。受け付けの一時中止によるワクチン接種開始時期延期の可能性も尋ねたが「(当初の発表通り)7月上旬から本郷キャンパスにおいて新型コロナワクチンの大学拠点接種を開始することで鋭意準備を進めております」と回答するにとどめた。
東京大学新聞社の質問項目および東大の回答は以下の通り。
【東京大学新聞社が問い合わせた事項と東大の回答】
太字の質問に対しては明確な回答がなかった。
・学内接種の決定時期、決定した主体
→言及なし
・最大で何人の構成員に接種出来る予定か
→希望する全員が接種できるようワクチン確保を進めている
・本郷以外のキャンパスでの接種に関する検討状況
→ワクチン管理のために本郷キャンパスに限る。検討状況については言及なし
・近隣住民を含む構成員以外の人への接種に関する検討の有無
→言及なし
・接種業務に当たるスタッフ(医学部附属病院、医科学研究所附属病院、保健センターなど学内組織のスタッフが従事するのか)
→言及なし
・接種業務に当たるスタッフとの調整、協議の状況
→言及なし
・留学を希望していたり、実習を控えていたりする学生、教職員への優先接種の有無
→言及なし
・東大から国に対する申請や申し出の状況(23日の一部報道を受け追加で問い合わせ)
→言及なし
・「7月上旬から」となっている接種開始時期が延期になる可能性(23日の一部報道を受け追加で問い合わせ)
→7月上旬からの接種に向け準備を進めている
【東大の回答の全文】
本学では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種における地域の負担を軽減し、接種の加速化を図ることで感染を抑制することに貢献するため、7月上旬から本郷キャンパスにおいて新型コロナワクチンの大学拠点接種を開始することで鋭意準備を進めております。
接種希望調査をもとに、希望する学生、教職員等すべてが本学で接種を受けられるようにワクチンの確保を進めています。
ワクチンを適切に管理する必要性があることから、接種場所は本郷キャンパス(山上会館)1か所のみの予定です。
さらに詳しい情報は近々接種予約を開始しますので、その際にご確認ください。
先行してワクチン接種が進んでいる海外では、様々な社会生活、教育・研究活動における制限が解除されつつあります。本学においても、学生・教職員等へのワクチン接種によって、より安全で安心なキャンパスを作り上げ、感染拡大防止に最大限の配慮を行いつつ本学の研究・教育活動を進めていきたいと思います。
2021年6月27日16:40【記事訂正】第2段落の「東大のワクチン接種は」という表現を「東大におけるワクチン接種を含む大学拠点接種は」という表現に修正しました。