梶田隆章教授(宇宙線研究所)は1月1日、特別栄誉教授の称号を授与された。東大での特別栄誉教授の称号授与は2004年度以来11年ぶり5人目。
特別栄誉教授は04年度の設置時に、梶田教授が指導を受けた経験のある小柴昌俊特別栄誉教授や梶田教授の研究テーマである物質を構成する最小単位・素粒子の一つ「ニュートリノ」の観測を先導した戸塚洋二特別栄誉教授ら4人に贈られて以来、授与された者はいなかった。
特別栄誉教授は著しい功績を挙げた教授、退職者のうち在学中の著しい功績などで引き続き東大への貢献が見込まれる人に贈られる。原則、終身称号で栄誉手当が支給される規程だ。
18日に行われた「ノーベル物理学賞受賞記念学術講演会」の冒頭で五神真総長が梶田教授に称号を直々に授与した。梶田教授は「ニュートリノ質量の発見」と題した講演で自身の研究を振り返り、ニュートリノが質量を持つことの発見の一端をつかんだとき「大きな興奮を覚えた」と語った。
講演会には約600人が参加し、講演後は梶田教授に花束が贈られた。講演は本郷・駒場・柏・神岡の計5会場に同時配信された。
この記事は、2016年2月2日号(読書特集号)からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。