東大には多数の中国人留学生が所属している。その数はなんと千人以上、他国からの留学生と比べても群を抜いている。
中国との交流の重要性が高まる中、昨年4月に中国語・中国文化の学習を支援するサークルが発足した。その「UT―CSS(University of Tokyo Chinese Speaking Society)」の活動を体験させてもらった。
CSSの活動は、駒場・本郷両キャンパスで行われている。今回は、駒場Ⅰキャンパスの初年次活動センターで毎週金曜日に開かれている、初級者向けの中国語ランチに参加した。
お昼ご飯を食べながら、中国語での会話を楽しもうというものだ。集まった人数は10人ほどで、中には中国やシンガポールからの留学生もいる。記者は中国語選択とはいえ、ほとんど初心者に近い。緊張しながら輪の中へ入った。
この日の活動は、台湾の映画の予告編を見ること。「あの日、君を追いかけた」という2011年公開の映画で、高校生の甘酸っぱい青春が描かれたものだ。映像と日本語字幕のおかげでストーリーは理解することができる。
しかし、中国語勉強歴3カ月の記者に聞き取れたのは、「谢谢、你喜欢我(ありがとう、私を愛してくれて)」の一文のみ。やはり中国語の壁は高かった。
映像を見終わると、「最近はこのような青春ムービーがたくさんあるんだよ」という留学生の言葉をきっかけに、中国で流行している映画や小説について会話を交わしていた。もちろん中国語での会話、しかもネイティブの流暢な発音のため記者にはほとんど聞き取れなかったが、上級生やTAがホワイトボードを使って単語の解説をしてくれるので初心者でも勉強になる。留学生へ日本の流行りのドラマを紹介することもあり、「『倍返し』、って中国語で何て言うんだろう」「『加倍奉过』じゃない?」と時折日本語も交えながら交流を楽しんでいた。
参加者の中には春休みに中国に留学したという積極的な学生もいた。中国語を勉強する中で、実際にネイティブと会話ができることが楽しいという。よりレベルの高い本郷での勉強会にも度々参加しているそうで、自身のレベルに合わせて活動内容を選ぶことができるようだ。
楽しいランチタイムはあっという間に終了。記者にとっては参加者のレベルの高さに圧倒される40分であったが、中心メンバーの齋藤晴紀さん(養・3年)は「今後は、中国語が苦手でも積極的にアウトプットできるような活動をしていきたい」と話していた。随時日中交流会も開催されており、食事をしながらゲームなどで留学生との交流を図ることができる。
自分の中国語をレベルアップさせたい、留学生としゃべってみたい、そんな人は中国語ランチに顔を出してみてはどうだろうか。
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【サークル紹介】
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2014年7月1日発行号に掲載(所属などの情報は当時のものです)。