キャンパスライフ

2020年5月8日

『東大生のための成長拠点』UT-BASEとは? その実態に迫る

 東大内の「まじめなサークル」をwebサイト上にまとめて取り上げ、その魅力を伝える学生団体・UT-BASE。新型コロナウイルスの影響で対面での活動が禁止された今年の新歓期には、学内初のオンライン合同新歓を実施するなど、成長を目指す東大生と意欲的に活動するサークルをつなぐ役割を積極的に担っています。今回は、UT-BASEから具体的な活動内容や目標について寄稿してもらいました。

(寄稿)


UT-BASEロゴ(画像はUT-BASE提供)

 

・UT-BASE誕生のきっかけ

 

 皆さんは、いわゆる学術/社会貢献/ビジネス系のサークル・ゼミにどういったイメージを持っていますか?「意識高そう」「頑張っている人が多そう」といったところでしょうか。東大にはビジネスから芸術まで多様な分野で活動するサークル・ゼミがあります。なぜ入ったかをメンバーに聞いてみると、「上クラに勧誘された」「高校の先輩から話を聞いていた」といった声が多く、良くも悪くも団体の魅力は先輩から後輩へ伝えられていくものだと分かります。そして、「○○人入ったけど、いまは半分くらいしか残っていないんだよね~」という話を耳にすることも多いでしょう。どの団体でも比較的共通することですが、このように限られた情報を頼りに団体に入る学生は少なくありません。しかしこれでは必ずしも自分の興味関心に沿った活動ができるとは限らず、団体へのミスマッチも頻発します。

 

 社会貢献や学術に打ち込む団体は、他のサークルや運動会と比べて新歓期に存在感が薄くなりがちです。今年の1年生は見られませんでしたが、テント列では新入生なら誰もが熱烈な勧誘を受けた記憶があるでしょう。学術/国際/ビジネス系の団体は、その際ちょっとビラを配ることしかできません。よほどブランド力のある団体でない限り集まる新入生が運動会等に比べて少ないため、ブースを出すことに抵抗がある団体もあります。色々と頑張っているのに新歓期に浮かばれないことが多い、そんな団体をどうにか応援できないか。このような思いが原点でした。

 

 もちろん大学生活には、運動会の部活、運動系・音楽系のサークル、資格の勉強、バイト、インターンなど多様な選択肢があります。その中のあくまで一選択肢として、しかしおススメしたい選択肢として学術/社会貢献/ビジネス系の団体の魅力を伝えていきたい。そう決意したのが現在UT-BASE代表を務める鈴木大雅(現経済学部3年)です。彼は2年次のオリ合宿でこれらのサークル・ゼミのパンフレットを下クラに渡して相談に乗りましたが、情報量が不十分だと感じました。そこで逆評定のように各団体の情報をまとめた冊子を配布したところ、予想以上の手応えがありました。更に、新入生が各自の関心に沿ったサークル・ゼミに出会えた証拠として、半年後や1年後にこうしたサークルやゼミを辞める人数は例年より大幅に減少したのです。このように新入生が自分のやりたいことにマッチする団体の情報を入手し、さらに高いレベルの活動を展開する団体が優秀で意欲の高い新入生と出会える場があれば理想的ではないか、との考えに至りました。

 

 これを後押ししたのが今年のイレギュラーな新歓活動です。新型コロナウイルス感染症拡大防止のために様々なサークルや部活の新歓活動が制限される中、オンラインでサークルの情報を一覧できれば新入生と在校生にとってwin-winなのではないか—このような経緯を経て誕生したのが、東大生向けオンラインコミュニティメディア「UT-BASE」です。

 

UT-BASE webサイトのホーム画面。メンバーの思いを込めた、東大生に送るメッセージです。(画像はUT-BASE提供)

 

・活動内容

 

 「東大生の可能性を最大化するための成長拠点」を創設時の活動理念として掲げ、学術/社会貢献/ビジネスなどに全力投球するゼミやサークルを「まじめな」団体としてwebサイトで取り上げています。様々な団体の代表などを務めてきたUT-BASE編集部メンバー内で、東大生の成長につながる可能性を持った団体にフォーカスし取材を重ねてきました。新入生に限らず東大生なら誰でも、各団体のよりリアルな声が反映された情報にアプローチすることができるのです。掲載団体は4月26日時点で60以上であり、駒場生が入りうる団体をほぼすべて掲載しています。webサイトはゼミやサークルの紹介にとどまらず、駒場・本郷周辺のワークスペースなど、学生生活に役立つ情報を発信するコラム記事も掲載しています。

 

 注目するべきは、これらの活動は全て学生だけで担っているということ。クラウドファンディングによる資金調達、webサイトの設計・デザイン、SNSによる告知なども自分たちで手掛けています。各分野に秀でたメンバーが、東大生の成長拠点を自分たちで作り出すべく日々試行錯誤を重ねています。ゼロからのスタートであるため手探り状態ではありますが、運営に柔軟性があり、何よりフロントランナーとして東大生のためのコミュニティを築いていくことに対するやりがいを感じています。

 

UT-BASE webサイトでは、カテゴリー別に気になるサークルを探すことができます。(画像はUT-BASE提供)

 

・今後の展望

 

  現在はサークル・ゼミの紹介やコラム記事での学生生活にまつわるトピック発信を中心としているほか、webサイト掲載のサークル・ゼミを含む40団体以上が参加するオンライン合同新歓を主催し、SNSで履修関係の相談に乗るなど着実に活動の幅を広げています。今後は新歓関係に限らず、東大生が成長できるコミュニティーの設計を目指していくつもりです。具体的には、webサイトに掲載している団体の代表が一堂に会するオンライン上の場所を用意し、サークル・ゼミの横のつながりの形成を促したり、同じ分野に関心がある学生が団体の枠を越えて議論・交流することを可能にしたりすることを視野に入れています。webサイトでの企業インターン案件の紹介など、学内にとどまらず東大生の可能性を最大化するためのコンテンツを考案中です。

 

4月5日、12日に開催されたUT-BASE主催のオンライン合同新歓の告知。(画像はUT-BASE提供)
45団体以上が参加した学内最大規模のオンライン新歓活動は、新入生からも好評でした。(画像はUT-BASE提供)
UT-BASEの創設メンバーです。左から、代表・鈴木大雅(経済学部3年)、サイト設計/他団体交渉・岡田健成(教養学部3年)、取材交渉/記事作成・柴田光毅(教養学部3年)。(画像はUT-BASE提供)

 

・お知らせ

 

 以下のwebサイトにて、サークル・ゼミの紹介や学生生活に関わる情報を発信する記事を掲載しています。現在は掲載できる団体数に限りがありますが、今後活動資金に応じて機能を拡張しパワーアップしていきます。活動の趣旨に賛同していただける方は、クラウドファンディングにご協力いただければ幸いです。コラム記事も随時更新していきますので、ぜひアクセスしてみてください。掲載をご希望の団体の方は、公式HPや公式Twitterからぜひご連絡ください。

 

公式HP:https://ut-base.info/

公式Twitter: https://twitter.com/UtBase

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