東大大学院理学系研究科は2月24日、同研究科の教員が、学士入試に関する機密情報が入ったUSBメモリを今年1月17日までに紛失していたことを公表した。紛失したUSBメモリが最後に確認されたのは昨年12月で、その後捜索を行っているものの24日時点では発見に至っていないという。USBメモリに個人情報が含まれていた2人の受験者には、状況の説明と謝罪が行われた。
今回紛失したUSBメモリには、昨年度実施した理学部学士入試の答案や、オンライン試験の録画といった受験生2人分の個人情報が保存されており、受験生の名前や顔のデータも含まれていた。その他22年度の学士入試の問題の草案や、過去問も保存されていたという。24日時点では、USBメモリに含まれていた個人情報が不正に使用された形跡や第三者への被害は確認されていないとしている。また、同学科の22年度の学士入試は出願者がおらず、USBメモリに含まれていたものと同じ草稿も破棄された。
今回の件を受け理学部は、再発防止策として「情報セキュリティ機能を備えたUSBメモリを使うこと」「保存ファイルにパスワードを設定すること」「USBメモリを施錠可能な引き出しに保管すること」を挙げ、関係者に注意喚起を行ったとした。
学士入学は、東大の学部を卒業、または卒業見込みの者が後期課程から編入することができる制度。受け入れの有無や選抜方法などの大部分が、各学部の裁量で決められている。