東大は7月31日、日本格付研究所(JCR)から最高位の「AAA」の格付を取得したことを発表した。同日には国立大学法人が発行する債券「大学債」に関する主幹事証券会社として大和証券(事務主幹事)、みずほ証券(共同主幹事)、SMBC日興証券(共同主幹事)を、事務委託銀行として三井住友銀行を選定したことも発表。国立大学法人として初となる大学債発行に向け、準備が進められている。
格付は28日に取得した。客観的評価による経営の透明性向上と、将来にわたる資金調達の手段確保を目的とする。JCRは格付け事由の中で、国立大学法人の事業環境が厳しくなっていることを指摘するとともに、東大を「日本の高等教育・研究を発展させる上で必要不可欠な存在」と評価した。また債券発行は東大の将来的な競争力や収入の増加に寄与するものであるとし、大学の財政リスクを高めることはないとしている。
これまでの国立大学法人法では、大学債の発行は附属病院のような直接的な収入が見込める事業でしか認められていなかった。しかし6月に発行要件を緩和する改正案が閣議決定したことで、今後先端研究施設のような直接収入が見込めない事業を目的とした発行も可能になることが予定されている。東大は2019年にも格付投資情報センターから「AAプラス」の格付けを取得していた。