これからのイノベーション創出に向けて、期待が大きい大学発ベンチャー。そうした大学発ベンチャーのうち、10社に1社は東大発のベンチャーであることが、帝国データバンクの調査によって明らかになった。
企業情報・企業調査を行う株式会社帝国データバンクは、8月8日、大学発ベンチャーの実態調査結果を発表した。同調査は、帝国データバンクが保有するデータベース・信用調査報告書ファイル「CCR」(160万社収録)より抽出した大学発ベンチャー企業600社を対象に、業種、所在地、規模、業績動向などを分析している。
公表された結果、及び帝国データバンクへの取材によると、東京大学発のベンチャー企業は全600社中58社と約1割であり、10社に1社が東大発のベンチャーであることが明らかになった。
社名は公表されていないが、58社中サービス業が28社、製造業が21社で大半を占めている。サービス業については、ソフト受託開発(8社)を筆頭にIT・技術を他社に提供するような業種が多い。
大学発ベンチャー企業の定義に関しては、文部科学省および、経済産業省の採用している定義が採用されている。具体的には以下の要件のいずれかに合致する企業を対象としている。
①大学の有する、研究成果や特許を基に設立に至った企業
②会社設立 5 年以内に大学の有する、研究成果や特許を取得、あるいは共同研究等を行った企業
③大学教職員及び学生が設立した企業のうち事業内容が大学での研究内容等と関連がある企業
④大学からの出資及び、TLOなど技術移転機関が設立に関与した企業
同調査によると、医学部を含む、理系の学部や研究施設を持つ大学が相対的に大学発ベンチャーと関与していることがわかった。
(オンライン編集部・荒川拓)