東大など国内11大学で構成する学術機関「RU11」は8日、世界大学ランキングを政策の方針や達成度の指標へ安易に利用すべきでないとの見解を表明した。2015年10月にタイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)が発表したランキングで日本の大学が順位を下げたのは、論文引用数の算出方法変更が不利に働いた結果と指摘した。
ランキングの指標の一つである論文引用数は、研究分野や発表年の影響を補正した数値「FWCI」から計算する。RU11は、15年のランキングで国や言語の補正が軽減され非英語圏に不利になったと指摘。引用数の上位1%に入る論文数は日本が世界8位と健闘していることを挙げ、指標の変更は大学の研究力を正しく評価するには時期尚早との考えを示した。
「教育、研究や社会貢献など大学の持つ全てのミッションを引っくるめ、普遍的で唯一のランキングがあるかのごとく扱う風潮」にも懸念を表明。一方で国際化の指標としての利用には意味があるとした。
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この記事は、2016年7月19日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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