英教育専門誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)』は21日に最新版アジア大学ランキングを発表し、開始以来3年連続1位の東大は7位に転落した。英教育機関クアクアレリ・シモンズ(QS)社も13日に最新版を発表し、東大は昨年から一つ順位を落とし過去最低の13位に。国際化の項目で低迷し、THEでは全項目で得点が下がった。
THEの「アジア大学ランキング2016」で東大は全項目で昨年から点数が落ち、総合点も8・3点下がり67・8点だった。教育は78・3点で首位を守るも、研究は79・5点でシンガポール国立大学・清華大学に抜かれ3位に。論文被引用数も総合上位6大学平均74・3点に対し60・9点と差が付いた。国際化は2・1点下がり30・3点で、国内最高も筑波大学の34・4点、30点超えはわずか3校と国内全体で課題となった。
総合1位はシンガポール国立大。96・2点の国際化などで東大を上回った。南洋理工大学は研究で67・0点(昨年比11・1点増)、論文被引用数で85・6点(昨年比9・7点増)など主要項目で点を伸ばし2位に躍進。昨年、総合点の70点超えは東大とシンガポール国立大のみだったが、今年は東大が70点を下回る中、上位5大学が70点を超えた。
QS社の「アジア2016」では09年の開始以来最低の13位となった。学術評価と企業評価で昨年に続き100点を取るも、受け入れ交換留学生数で11・7点、送り出し交換留学生数で9・3点と低迷。今年導入の「Ph.Dを持った教員数」では90・8点で、京大(99・1点)や東工大(97・9点)を下回った。
総合1位3年連続でシンガポール国立大が獲得し、清華大が昨年11位から5位へ上昇した。日本で30位以内に入ったのは昨年より一つ減って7大学。東工大のみが昨年より順位を上げたが、他の国内上位大学は軒並み順位を下げた。
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この記事は、2016年6月28日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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