東大は昨年12月20日、運営方針会議の委員を発表した。藤井輝夫総長をはじめとする学内の7人と学外の7人を含む計14人で構成される。就任は今年1月1日付。
外部委員には、IBMシニアバイスプレジデント兼IBMリサーチ・ディレクターのダリオ・ギル氏など7人が選任された。学内からは総長と理事3人に加え、山本隆司教授(東大大学院法学政治学研究科長・法学部長)など執行部に属さない教職員3人が委員に含まれた。学内委員と学外委員は同数(表)。
東大が昨年9月に選考に関する指針を発表し、委員は性別、国籍、専門分野、年齢などの多様性を考慮するとした。今回は教育研究活動、国際化、大学経営、先端研究、法律・会計、社会連携などに関する知識と経験を有する人物がバランスよく選出されたとみられる。半数の委員が女性だった。委員の任期は2年で、再任の回数の上限は3回。
運営方針会議は、2024年10月に施行された改正国立大学法人法に基づき、規模が特に大きい国立大学法人に設置が義務づけられた。中期目標・中期計画および予算・決算に関する事項(運営方針事項)を決議し、監督する役割を担う。
一部教員からは運営方針会議の設置に懸念する声も聞かれる。東京大学教職員組合(東職)は、国立大学法人法の改正の審議が国会で進む2023年11月に、運営方針会議の設置に反対する声明を発表した。声明で東職は、会議の構成員の選考に文部科学大臣の承認が必要と定められている点を指摘。会議は「文科大臣が運営方針会議を通じて大学を支配する仕組みと評せざるをえません」とした。