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2019年6月21日

紫外線によるゲノムDNAの損傷を検出 皮膚がん抑制などに期待

 胡桃坂仁志教授(定量生命科学研究所)を含む国際共同研究グループは、紫外線によるゲノムDNAの損傷を、効率的に検出・修復する仕組みを解明した。皮膚がん抑制などへの応用が期待される。成果は5月29日付の英科学誌『ネイチャー』に掲載された。

DNA二重らせんがヒストン8量体を滑ることで損傷の位置がBからAに移る(研究グループの発表資料より転載)

 

 DNAは細胞内でヒストン8量体という円柱形のタンパク質に巻き付き、ヌクレオソームという構造を作る。損傷を受けたDNAと結合して修復を促進するのが「UV(紫外線)損傷DNA結合タンパク質(UV-DDB)」。しかしヌクレオソームの内側の損傷をUV-DDBがどのように検出するかは不明だった。

 

 研究グループは、損傷がヌクレオソームの外側に位置する場合、ヌクレオソームの構造をほぼ変えずにUV-DDBが損傷に結合できることを確認。損傷がヌクレオソームの内側に近づくにつれ、UV-DDBとの結合は弱まった。しかし解析の結果、UV-DDBがヌクレオソーム上のDNAを滑らせることで、損傷を外側に露出させていることが判明した。

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