東大は3月30日、ロシアのウクライナ侵攻により学びや研究の継続が難しくなった学生や研究者を一時的に受け入れ、教育・研究環境を提供すると発表した。渡航費用や生活支援金の支給といった経済的支援や住居支援、生活支援も行う。取り組みの推進のため、東京大学基金で寄付を呼び掛ける。
対象は「ロシアによるウクライナへの武力侵攻により、学ぶ場や研究する場を安全に確保することができなくなった学生及び研究者」で、国籍は問わない。学生には19、研究者には24の特別受入れプログラムが用意されて、受け入れには審査がある。学生は学位取得を目的としない非正規生として、研究者は無給の研究ポジションで受け入れられる。受け入れ期間は来年3月31日までを予定しているが、今後の情勢に応じ見直すことがあり得るという。
受け入れた人への支援として、渡航費用の実費支給、在留資格の取得支援といった渡日までの支援、宿舎を無償で貸与するなどの住居支援、月額8万円(予定)を最大1年間、生活支援金として支給し、学生の場合は学費不徴収といった経済的支援、カウンセリングや日本語クラスの受講といった生活支援を行う。
支援には東大の自主財源を充てるが、より多くの学生や研究者を援助するためとして、東大緊急人道支援基金も立ち上げ、支援を呼び掛けた。第1次募集期間は7月31日まで。
東大は2月25日にロシアのウクライナ侵攻について「武力によって一方的に現状変更を行おうとするものであり、到底、受け入れられるものではありません」という藤井輝夫総長のメッセージを公開している。関係者へのサポートなど、必要な対応を行うとしていた。
東大リンク
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z1311_00077.html