12月11日、駒場キャンパス内のフレンチレストラン ルヴェソンヴェール駒場にて、「東大に起業文化を根付かせる」というコンセプトのもと、参加費無料のパーティが開かれた。主催したのは、東大卒業生と現役東大生とが運営するTodai Ventures Summitという団体で、意欲のある東大生向けに起業の支援を行っている。
パーティの冒頭には、東大卒業生の起業家4名が対談形式で起業について語り合うトークセッションがあり、会社経営の苦労や、赤裸々な失敗談が、クローズドな会ならではの和やかさで語られた。
TomyK Ltd.の鎌田富久さんや、ヴォラーレ株式会社の高橋飛翔さん、株式会社サイアメントの瀬尾拡史さん、ウルシステムズ株式会社の漆原茂さんといった、実績ある東大卒業生が語る言葉に、参加者は熱心に耳を傾けていた。
鎌田さんは、自身が起業したのは「ソフトウェアで世の中を変えたい」という思いがあったからだと語る。やりたいことをやるための一つの方法として、起業という選択肢があるのであり、起業を成功させるにはやりたいことがあるのが大事だと強調した。
高橋さんは、「自分が死んだあとに何かを残したい」という気持ちから、大学入学時は政治家を志していたが、次第に外から政治を変えるべきだと考えるようになり起業に至ったという。
自身の学生時代を振り返り、学生が起業する際に重要なのはメンターを持つことで、情熱を持って「強烈にやりたい」ことがあり、それをやりたいけど困っていると伝えれば、助けてくれる人が必ずいると語った。
瀬尾さんは自身の取り組む事業について紹介し、科学的知識をわかりやすくかつ正確に可視化することへの思いを語った。
学生時代にやっておくべきことについて話した際には、多くの人が「やりたいことを見つけなさい」ということに疑問を投げかけ、「やりたいことを無理して見つける必要はないが、もしやりたいことが見つかったら何でもいいからそれを全力でやるべきだ。やりたいことが見つからないなら、無難に周りと同じようなことをすれば良いのではないか」と語った。
トークセッションの終わりには質疑応答の時間が設けられ、参加した学生から多くの質問が寄せられた。面接について話が及んだ際には、鎌田さんが「成長する人とそうでない人の簡単な見分け方」について話し会場を沸かせた。「失敗の原因を自分の責任として考える人は、多くを学んで成長する。逆に、失敗について聞かれた際にその原因を他人に押し付ける人は、あまり成長しない」のだという。
トークセッション後には、ルヴェソンヴェールの料理を囲んで懇親会が行われた。
Todai Ventures Summitは、今年の2月に結成された団体で、東大卒業生の起業家がこれから起業しようとする東大生を支援するために活動している。起業意欲のある東大生と、その事業にあったメンターとを引き合わせ、起業に向けた実践的なアドバイスを行っている。
Todai Ventures Summitに参加している東大生起業家には10月に英単語アプリmikanをリリースした宇佐美峻さん(工学部4年)などがいる。
(文責 須田英太郎)