東大教養学部は7月14日、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者になり本年度Sセメスター・S2タームの定期試験を欠席した人について、公式文書の提出ができない場合に代替書類の提出による申請を認めることを発表した。15日更新の内容によると①PCR検査または抗原検査の結果が分かるもの、②濃厚接触者となった経緯を詳細に記した理由書の提出により申請ができる。追試験実施科目の「受験資格A」で適用される。
受験資格Aは病気や事故など不測の事態で欠席した人が対象で、本来は「欠席追試験受験願」に加え、病院の診断などの公式文書の提出が求められる。今回の発表で、新型コロナウイルスの濃厚接触者には後者の申請を求めない形になった。学内感染者数は急激な増加傾向にあり、今回の措置にも影響した可能性がある。
①について、14日の記載ではPCR検査しか認められていなかったが、15日には抗原検査も追加された。②の理由書では、濃厚接触者になった経緯に加えて、東大の感染報告フォーム報告日、濃厚接触者認定日などの記入が求められる。
前期教養課程の定期試験では本年度S1タームまで、新型コロナウイルスの感染が疑われる場合などの代替措置が取られていたが、今回の定期試験では実施しないことが6月6日に発表されている。受験資格Aは一部の基礎科目などが対象で、通常、点数の上限が75点と定められている。総合科目などでも申請可能な代替措置は引き続き行わない見込み。
オミクロン株流行期に実施した代替措置では、保健所機能のひっ迫で根拠書類の提出が難しく、濃厚接触者は実質的に学生の申し出のみによる審査・決定となっていた。そのため、特例措置では「審査の信頼性が担保できな」くなったと過去の東京大学新聞社の取材で教養学部は明かしている。今回の措置では従来の追試験制度の枠組みの中で、根拠書類の提出が難しい学生の受験機会を認めつつ、申請に必要な代替書類を明示し、信頼性の担保を図ったと見られる。
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