スポーツニュース

2024年10月26日

【東京六大学野球】オールスターゲーム 膠着(こうちゃく)した展開を分けた 痛い失策

 東京六大学野球オールスターゲーム(オールスター)が9月1日に開催され、東大硬式野球部から5名が参加した。今年の開催地は北海道北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDO。同球場で8月30日から9月1日にかけて開催された「北海道ベースボールウィーク2024」の3日目がオールスターだ。東大の所属するTeam PenhallowはTeam Clarkに3ー5で敗れた。(取材・高倉仁美、清水央太郎)

 

Penhallow|300000000|3
Clark  |30000020X|5

 

 オールスターでは開催地にゆかりのある名前を冠したチームを組み、対決することが慣例となっている。東大は明大、慶大と共に「Team Penhallow」を結成。早大・法大・立大で構成された「Team Clark」と戦った。「Penhallow」「Clark」はいずれも明治時代に札幌農学校(当時、現・北海道大学)で教壇に立った人物で、札幌農学校の生徒への指導を通じて学内、ひいては北海道全土に野球を広めたとされている。

 

 この日東大からは、7番ファーストの藤田峻也(農・4年)がスタメンで登場。一回表、いきなりTeam Penhallow打線がつながり、3点を先制。チームの勢いそのままに藤田も内野安打を放つなど、幸先の良い滑り出しを見せた。しかし喜んでいられたのも束の間。一回裏、1死一、三塁の場面で打席に立ったのはプロ注目の相手4番・印出。豪快なスイングから放たれた打球は吸い込まれるようにレフトスタンドへ。試合開始早々のホームランで歓声に包まれる一塁側。接戦を予感させる立ち上がりとなった。

 

4年から挑戦のファースト守備につく藤田
4年から挑戦のファースト守備につく藤田(撮影・清水央太郎)

 

 二回以降、初回とは打って変わって両チーム投手の安定した投球が続く。四・五回では東大の渡辺向輝(農・3年)が登板。各回それぞれ無死、1死の場面で安打を許したものの、ホームベースは踏ませない粘投を見せた。投手陣は互いに流れを許さず、3ー3の同点のまま5イニングが経過した。

 

2回無失点と好投した渡辺
2回無失点と好投した渡辺(撮影・清水央太郎)

 

 迎えた七回。先頭打者として、代打・大原海輝(文・3年)がグラウンドイン。だが相手投手のぶれない投球を打ち崩せず、三者凡退に終わる。同点を守りたいTeam Penhallowだったがその裏、2連打を浴び無死一、二塁のピンチ。この場面でプレッシャーからか、投手・渡辺和大(慶大)が投手ゴロを二塁へ悪送球。二塁走者が生還し1点を勝ち越される。悪い流れを絶ち切れず、無死二、三塁の場面で今度は暴投。点差は2点に拡大した。しかしその後は見事な切り替えを見せ、3連続で三振を奪取し、意地をみせた。

 

 八回にはベンチで控えていた杉浦海人(法・3年)が代打で打席に立ったものの、両チームとも三者凡退に終わり、迎えた最終回。「2点ならすぐに縮められるはず」。3塁側のスタンドに広がる期待を背負い、先頭の木本圭一(明大)がライトへ安打を放つ。1死一塁となったところで上位打線へ戻り、ピッチャーフライでツーアウト。なんとかTeam Penhallowに粘って欲しいと願う中、打席に立ったのは大原。持ち味の力強いスイングを見せ、三塁側からは拍手とエールが送られる。しかし願いは叶わず、空振り三振。3ー5で試合は幕を閉じた。

 

投手陣の投球練習を支える杉浦(撮影・清水央太郎)
投手陣の投球練習を支える杉浦(撮影・清水央太郎)

 

 快晴で覆われた北の大地で、東京の大学野球の選手らは見事な試合を繰り広げた。東大所属のTeam Penhallowは勝利を飾ることはできなかったが、そのプレーはきっと北海道の野球ファンの記憶に残るだろう。9月14日に開幕した秋季リーグ戦も終盤に差し掛かっている。この日共に戦った仲間とは、対戦相手同士として野球をしてきた。今日は最終カードの立大戦。今季2勝をあげてきた東大は、最後どんなプレーを見せてくれるだろうか。今日も勝ち点を夢見て明治神宮球場へ足を運ぶ。

 

出場選手らの集合写真(撮影・清水央太郎)
出場選手らの集合写真(撮影・清水央太郎)
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