英国の教育専門誌タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)が毎年発表している世界大学ランキングの最新版が9月21日に公表され、東大はアジア圏内で4位に後退し、2年連続でアジア首位を逃した。総合順位は39位と昨年の43位から上昇するもおととしの順位を10位以上下回る厳しい結果となった。(図)
東大は五つの評価基準(教育・国際性・研究・論文被引用・産学連携)でいずれも昨年以上の水準となった。特に研究は89・2点と上位20校に劣らない高評価だ。昨年順位を大きく下げた原因の論文被引用も60・9点→62・4点と微増しつつも、おととし以前の70点台と比べ低迷が続く。
アジア圏内では、シンガポール国立大学(24位)が2年連続トップで、北京大学(29位)が続いた。東大は清華大学(35位)にも産学連携で大きく差を付けられ、初めてアジア首位を逃した昨年のアジア圏3位から後退し4位となった(表)。
上位200位に入った日本の大学は、昨年と同様東大と京都大学(91位)の2校のみ。上位200位以内に入ったアジア圏の大学数は昨年の15校から19校に増加しており、THEは「アジアの高等教育の発展とその継続を世界大学ランキングは証明している」と分析した。
全体では、英オックスフォード大学が5年連続首位だった米カリフォルニア工科大学を上回り、初めて英国の大学が首位を獲得。トップ10校のうち7校は米国の大学が占めた。
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この記事は、2016年10月4日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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