部活・サークル

2024年11月1日

駒場演劇連載 【Theatre MERCURY】柔軟な活動に楽しい稽古 Theatre MERCURYでド派手な舞台を!

 

柔軟な活動に楽しい稽古 Theatre MERCURYでド派手な舞台を!

 

 駒場には、劇団綺畸、Theatre MERCURY、劇工舎プリズム、ESS Drama Sectionの四つの演劇サークルがある。各団体の特徴や、それぞれが作り出す世界観はどのようなものだろうか。連載第2回目となる今回は、11 月8、9、10日に『最果てで僕らは』の公演を控えるTheatre MERCURY(シアター・マーキュリー)に取材した。(取材・平井蒼冴)

 

柔軟な活動形態で年に4公演

 

 駒場にある四つの演劇サークルの一つであるTheatre MERCURYは東大と日本女子大学の学生を中心に活動中のインカレ演劇サークルだ。公演は駒場Iキャンパス内の多目的ホール(駒場小空間)で行っている。毎年6月に夏公演、8月に夏合宿公演、11 月に冬公演、3月に新人公演の、計4公演だ。夏合宿公演では、新人育成を目的にサークル内部で公演を打つ。冬公演では、2年生を中心に前年度に入部した執行代が役割を終える。そして新人公演では、1年生を中心にその年に入部した代だけで行うそうだ。現在の構成員の中で、演劇経験者は3分の1から半分ほどだという。

 

 Theatre MERCURYでは一つの公演を、掛け持ち可能な10個のセクションと、主に1人で脚本と演出を手がける作・演出担当が作り上げる。作・演出担当は作品ごとに異なり、希望者が自分で脚本を作り、部員みんなで投票をして決めるという。

 

 活動は駒場Iキャンパスで行っている。普段の稽古は週4〜5回ほどになるというが、毎日稽古をする公演1週間前を除いて稽古日程は固定されておらず、役者たちが空いている日を調整して練習日程を決めている。欠席することも可能で、柔軟性のある活動形態をとっている。週1回の塾講師のアルバイトなど、ほとんどの部員がアルバイトや学業と活動を両立できているという。

 

稽古中に話し合い、理解を深め合う様子(写真はTheatre MERCURYが提供)

 

派手な舞台と楽しい稽古 Theatre MERCURYの演劇作り

 

 日常を切り取ったり、緻密に作品を構成したりする傾向のある他の演劇サークルに比べ、Theatre MERCURYでは分かりやすく、かつ凝った世界観の作品が多いという。格好良く、迫力を感じられるような舞台だ。Theatre MERCURY の舞台構造は3〜4つの階を設ける。ひな壇を建てるなど派手さが目立ち、その派手さがTheatre MERCURY の魅力だと語る部員も。舞台を作るのには、木材で土台となる骨組みやパーツを作るのにおよそ1カ月、駒場小空間内で組み立てるのに丸1日かかり大変だというが、舞台が建った時のうれしさを考えれば苦ではないという。

 

 一方で役者の稽古では、適度に休憩を挟んだり、雑談をしたりと稽古場を楽しくすることにこだわっている。今年入部し、現在は役者をしているという演劇初心者の部員も、役者になった理由として稽古場が楽しそうだったという点を挙げていた。

 

 Theatre MERCURY の演劇は、派手な舞台と楽しい稽古で作られているのだ。

 

今年度夏公演のステージ写真(写真はTheatreMERCURYが提供)

 

「Theatre MERCURYは懐が深い」10のセクションから自分に合った仕事を

 

 ある部員は、Theatre MERCURY は懐が深いと語る。10ものセクションがある中で、部員たちは自分に向いている仕事のセクションを選んで所属している。

 

 照明セクションの部員は、演出の指示通りに舞台や役者を照らすことができた時にやりがいを感じると語る。

 

  また映像セクションには、自分の作った映像が実際に投影されて感動したという部員も。舞台の壁に投影する映像を自分のパソコンで作成し、その映像が投影されて演劇のスケールが大きく感じられたり、演技と合わさったりすると喜びもひとしおだ。

 

 舞台セクションでベンチを作った部員は、プランを立てて設計図を書き、自分で作った後、役者が舞台上でそのベンチを実際に使っているのを見て感動したとうれしそうに話す。

 

 そして宣伝美術セクションでは立て看板も作成している。駒場Iキャンパス内を歩くとあちこちで目にする立て看板だが、ベニヤ板1枚だけで立っているよくある形状の立て看板では面白くないと考えた。人が注目せず通り過ぎてしまわないよう、目に入りやすい面白い形を取り入れたそうだ。

 

 各セクション員が自らの仕事に誇りを持ち、時にやりがいや感動を味わいながら楽しく活動している。

 

 明確な動機がなくても、入ったら絶対に楽しいことが見つけられると語る部員も。「何かちょっとでも気になったら入ってみるのがいいかな」とのことだ。

 

 ぜひ一度 Theatre MERCURYの舞台に足を運び、また劇団の一員となって演劇作りに携わってみてはどうだろうか。

 

今年度夏公演の立て看(写真はTheatre MERCURYが提供)

 

11月8、9、10日に冬公演「最近のMERCURY史上最もド派手」

 

 Theatre MERCURYでは11月8、9、10日に駒場小空間で『最果てで僕らは』の公演を予定している。この作品は、派手な舞台が多いTheatre MERCURYの中でも特に派手な舞台となり、役者も大きく動くそうだ。「見ていて楽しい時間にしたい」という部員の言。

 

 立て看板やチラシで宣伝にも力を入れる。「最近のMERCURY史上最もド派手な舞台」と部員が語る今回のステージ、必見だ。

 

冬公演『最果てで僕らは』チラシ(画像はTheatre MERCURYが提供)

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