2月27日、個性的な情熱を持つスピーカーのトークを軸にして、会場に集った者同士の新たなコミュニティ形成を目的とするTEDxUTokyoSalonが、東京大学本郷キャンパス福武ホールで開催された。TEDxUTokyoの活動としては5年ぶりのイベント開催で、さまざまな背景を持つ生徒・学生から社会人までの約60人が参加した。
トークには3人のスピーカーが登壇。意識に関する研究の最前線に立つ渡邉正峰准教授(東大大学院工学系研究科)、染織技法を基にした新たな表現を探る芸術家の松本千里氏、ガーナで活動するNGO法人で、現地の人々と共にアフリカの持続可能な開発を目指して活動している原ゆかり氏らが、自身の研究や経験を基にしたアイデアを届けた。
トークの合間には、二つのワークショップが開かれた。トークを行った松本千里氏は、その場で与えられた素材を用いて創作を行い、「既成概念を疑い発見を得る」ことを実体験するワークショップを主催。二つ目の、僧侶の浦上哲也氏による「死の体験旅行」では、参加者がある物語の主人公となり、自分にとって大切なものを場面に応じて捨てるよう迫られることで、おのおのの人生を振り返った。
TEDxUTokyoSalonではトーク間の休憩時間も豊富に設けられていた。会場脇の待機スペースには「未来に残したい本は?」といった質問が書かれたホワイトボードと、答えを記すための付箋が置いてあり、多種多様な回答が残されていた。そのほか、新型コロナウイルスの感染対策を取った上で、参加者間での会話も会場では多く見られ、賑わいの絶えない会となっていた。
TEDxカンファレンスは「Ideas Worth Spreading」のコンセプトのもと、幅広い分野のアイデアを提供するイベント。今回のTEDxUTokyoSalonは、今年6月12日に5年ぶりの開催が予定されているTEDxUTokyoに先駆けて開かれた小規模なカンファレンスであり、東大の学生団体による独自の運営の下で開催された。
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