東大は10月21日、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)と産学協創協定を締結したと発表した。TCSは、デジタル技術を用いて大手企業にコンサルティングを行う、インド発のグローバル企業。東大とTCSの知見を連携させ、日本やインドを始めとする世界中の社会やビジネスの課題解決のためのデジタル技術の創出を目指す。
活動は、技術連携、人材交流、イノベーション創出、スタートアップ・エンゲージメントの4領域から開始する。技術連携としては、人間の労働と自律型ロボットの協働に関する共同研究を行い、人材交流としては、TCSが東大の学生に向けて、特別講義やTCSでのインターンシップの機会を提供する。イノベーション創出では、東大とTCSが共同で、TCSの顧客が実社会で直面する課題を解決する新たな枠組みを模索する。スタートアップ・エンゲージメントでは、TCSが東大関連のベンチャー企業のグローバル展開を支援する。協定締結にあたって五神真東大総長はコメントを寄せ「知識・情報・サービスが価値を担う知識集約型社会への転換が進む中で、包摂的で持続可能な社会の姿として提示された『Society 5.0』の実現には、デジタル技術が不可欠。この協定がさらなる日本・インド両国の発展を推し進めることを期待する」と述べた。
東大とTCSは今後、定期的に関係者間で利害調整や意思決定を行う会議を開催。新しい研究プロジェクトを立ち上げ、革新的な課題解決策を世界に提供するという。