東大は5日、2020年度の卓越研究員として公募で選出された7人を発表した(表)。将来の学術を担う卓越した若手研究者の発掘・育成を目的として18年度に設けられた「若手研究者育成支援制度」に基づくもの。採用された研究者には、自立して研究に取り組む環境を整えるためのスタートアップ経費として合計600万円が支援される。
公募は研究分野を問わず国内外を対象に実施。本年度は348人から応募があった。今回歴史学の研究者が選出され、文系分野から公募型で初めて採用された。選出された7人はそれぞれ東大の部局に所属することになる。
文系研究者として初選出の久野京都大学講師は、企業活動・産業が社会や文化に与える影響の歴史的研究が専門。経営史、環境史、文化史、ジェンダー史など多角的視点から、19世紀以降の米国における食生活の構築過程の解明を試みている。
東大卓越研究員は、若手研究者の研究環境を整えることを目的として16年度に生まれた制度。当初は東大の研究科や研究所から推薦された学内の若手研究者を対象とする「若手研究者自立支援制度」のみだったが、18年度から公募型が新設された。20年度の推薦型の卓越研究員には、昨年11月に24人が選ばれている。