入試を乗り越えた新入生の皆さんは、4月からの大学生活を思い描いている最中でしょう。勉学、運動会やサークルの活動、アルバイト……いくつもの選択肢を前に、迷い始めた人も多いのではないでしょうか。今回は、社会問題を分析して解決策を立案・実行していく「瀧本ゼミ政策分析パート」に活動内容を寄稿してもらいました。入学後に取り組む活動の参考にしてみてください。
瀧本ゼミ政策分析パートは、EBPM(evidence-based policy making=科学的根拠に基づいた政策立案)を理念に掲げ、徹底的なリサーチと専門家へのヒアリングを通して様々な問題解決の手法を考え実行する自主ゼミです。
ゼミには東大に限らずさまざまな大学から学生が集まっており、所属も法・経済・医学部など多様です。各自テーマを決めて調べ、自分の発表日に向けて準備します。テーマは「糖尿病になる確率と座位時間の関係」「離婚のしやすさと離婚率の関係」など多岐にわたります。しかしすでに調べられているものを取り上げる意義は薄いため、「注目されていないが社会的に重要な問題」を見つけ出し、その解決策を考えなければなりません。これがゼミの主眼であり、難しいところでもあります。テーマ決定後は1カ月ほど文献調査をしてスライドを作成し、他のゼミ生へ発表します。議論を深め高い評価を受けた政策は、適切な関係者へ提案を行います。
このゼミを通して卒業後も使える武器は三つあります。まず問題解決能力です。政策立案と聞くと法律や政治の知識が多く要求されると想像されるかもしれませんが、実際に生かせる分野はそれらの他に建築・経済・医学・教育など多岐にわたります。私たちは既存の枠組みにとらわれない思考を重視しており、自らの専門を生かしてバリューを出すことを求めます。このゼミで自ら考え、フィードバックを生かすことができれば、問題解決能力はおのずと身に付くでしょう。
次に、アラムナイを含めた多様で強力なネットワークです。ゼミの卒業生は、それぞれ自分が解くべき課題は何かを考え、ライフミッションを持って行動しています。そのミッションに合う組織を選び、ない場合は起業して作り出す人もいるため、卒業生の進路は多様です。そうした彼らとのネットワークは強固であり、相互に刺激を受け合っています。また政策提案を行った議員とのチャネルも強固にし、その後の政策実現にも生かしています。
最後に挙げるのは、他の学生団体を凌駕する圧倒的実績です。これまでには、千葉県でAED設置基準に関する条例の制定に貢献したり、新生児への保湿剤塗布によるアトピー性皮膚炎予防政策をつくば市で実施したりするなど、多くの実績を挙げています。詳しくは瀧本ゼミ政策分析パートのホームページをご覧ください。
このゼミでは努力すればうまくいくとは限りませんが、自らの頭で考えることを怠らなければ、きっと一生にわたって生かせる力を身に付けることができるでしょう。社会問題の解決に興味があり、論理的に問題分析をすることが好きな方をお待ちしています。
寄稿=藤田健司(文Ⅱ・2年)