「100行で名著」の記事一覧

文化

2025年01月28日

【100行で名著】死を嘲笑するシュルレアリスム 安部公房『カンガルー・ノート』

 文房具メーカーに勤める男。ある朝突然、かいわれ大根が脛に自生していることに気づく。脛のむずがゆさと違和感に耐えかね病院に行くと、生命維持装置付きの頑丈な医療用ベッドに固定され、硫黄温泉行きを宣告される。行く先で警察からは職務質問を受け、ベッドは自走し、物語の舞台は市街から坑道、賽(さい)の河原、隔離病棟へと移り変わる。  冗談みたいなあらすじだが、実際の長編小説のあらすじである。こ
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