篠崎奈々助教(東大大学院医学系研究科)らの研究グループは、食事の栄養学的質が日本人成年の食事の種類、同席者の有無、食事場所などの特性と関連していることを明らかにした。
これまでにも調査が行われおり、異なる個人間でデータを比較してきたが、個人間での食事の質と食事場面の特性との関係性は十分に明らかになっていなかった。今回の研究はリアルタイムで繰り返し情報を集める「生態学的瞬間評価」を用い、正確なデータを収集して分析した。
30〜76歳の日本人222人を対象として4日間の飲食内容に加えて、勤務日かどうか、食事の種類、食事場所、同伴者や電子機器の使用の有無を調査した。
調査の結果、男性は朝食よりも昼食の質が悪く、夕食の質が良いことが判明。同伴者がいた方が食事の質は上がった。一方、女性は朝食より夕食の質が高く、自宅よりも外食の質が高いことが分かった。また、女性はBMI(ボディマスインデックス)が高いほど食事の質は高くなった。男女ともに年齢が高く、非喫煙者である人の食事の質は高い傾向にあるが、食事中の電子機器の使用の有無との明確な相関関係は見られなかった。今回の結果は、食事の栄養学的質向上に向けた取り組みへの応用が期待される。