東大法学部卒ヴォーカリストの鈴木重子さんによる講演会「『本当に大切なもの』から生きる人生を選ぶ」(法学部学習相談室主催)が5月21日に本郷キャンパスにて行われた。法学部卒業後、司法の道を志そうとしたものの違和感を覚え、「生きていること」が実感できるヴォーカリストの道を選んだ鈴木さん。就職活動を目の前にして進路に悩む学生や、彼女の生き方に興味をもつ一般の方など多くの人々が彼女の話を聴きに集まった。
講演会では、鈴木さんが幼いころに受けたいじめから形成された世界観、東大に入った理由、ヴォーカリストという道を選び「自分にとって本当に大切なことで幸せになる重要さ」に気づいた経験などを語った。
鈴木さんは話を始める前に、「目を閉じて周りの音に耳を傾けてください」と参加者に語りかける。その後、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」を歌い、目を閉じる前と後の世界の感じ方の違いについて述べた。「学生時代に、’自分には体と感情がある’ということを再認識する機会があれば良かったと思っていたので、皆さんには是非、五感を全開にして日々を送って欲しいです」
「本当に自分の中から出てくることを話したいので、次の言葉が出てくるのを待っています」と時折沈黙する場面や、「歌を歌いたいと思ったので、歌います」と美しい歌声を披露される場面があり、「自分の体が言っていることに耳を傾けよう」というメッセージを鈴木さん自身が体現している講演会だった。
東京大学新聞オンラインが以前伺った鈴木さんへのインタビュー記事はこちら。併せてお読みください。
(文責 新多可奈子)