東京大学新聞社は3月29・30日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3132人の92%に当たる2866人から回答を得た。このアンケートは毎年諸手続き時に行う東大生対象の唯一の全数調査で、受験や大学生活、進路への意識、東大の諸制度や社会問題への賛否などを質問。アンケート結果から、今年の新入生の傾向を分析した。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)
(構成・一柳里樹)
女子学生家賃支援
東大が昨年の入学生から導入した、実家が遠方にある女子学生への家賃支援制度の評価を聞いたところ、「評価する」「どちらかといえば評価する」と答えた人は計57%で、昨年を9ポイント上回った。評価しない理由は「男子学生にとって不平等だから」(43%)が最多で、「女子学生比率向上につながらないと思うから」(24%)が続く。「取り組みを知らなかった」は10%にとどまり、東大受験者への周知も成功しているといえる。
評価理由は「女子学生比率向上につながるかは分からないが、何かしらの取り組みを始める必要があるから」(44%)が「女子学生比率向上につながると思うから」(42%)を上回っており、新入生の多くが家賃支援制度の実効性に疑念を持っているといえる。現に、家賃支援制度が東大進学の「一番の決め手だった」「決め手の一つだった」新入生は合わせて家賃支援制度利用者全体の27%にすぎない。
制度を「応募・利用した」新入生は女子全体の18%。当選したが利用しなかった新入生が女子全体の2%で、応募し落選した新入生も5%の26人いた。
成人年齢引き下げ・改憲
成人年齢の18歳への引き下げについて聞くと「賛成」「どちらかといえば賛成」が計58%を占めた。自由民主党が実現を目指す、自衛隊の存在を憲法に明記する憲法9条改正案への賛否を問う質問では「賛成」「どちらかといえば賛成」が計52%で、「どちらかといえば反対」「反対」は計29%にとどまった。
支持政党
支持政党を尋ねたところ、自民党が30%で最多。立憲民主党(10%)、日本共産党(1%)が続く。「支持政党はない」は41%、「分からない」は15%だった。立憲民主党は昨年の民進党の支持率を2倍以上に伸ばし、前身の民主党時代を含めても2005年(10%)以来13年ぶりに9%を上回った。財務省の公文書改ざん問題などの影響か自民党の支持率は昨年から6ポイント低下したが、16年とほぼ同じ支持率で、立憲民主党の3倍以上の支持を得ている。
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この記事は、2018年4月17日号からの転載です。新入生アンケートの全結果は紙面で掲載しています。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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