東京大学新聞社は3月29・30日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3132人の92%に当たる2866人から回答を得た。このアンケートは毎年諸手続き時に行う東大生対象の唯一の全数調査で、受験や大学生活、進路への意識、東大の諸制度や社会問題への賛否などを質問。アンケート結果から、今年の新入生の傾向を分析した。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)
(構成・一柳里樹)
出身地・出身高校
出身高校は、中高一貫の私立校が52%と17年の50%を上回り、中高一貫でない公立校は29%で昨年を2ポイント下回った。共学校出身者が51%と約半数を占める一方、男子校出身者も39%いた。女子校出身者は8%。
出身高校の所在地は、東京都の1043人(36%)が最多。以下神奈川県(307人、11%)、兵庫県(165人、6%)と続く。昨年5位の愛知県(127人、4%)が同4位の千葉県(125人、4%)を抑え2年ぶりの4位に。関東地方の高校出身者の割合は、昨年を2ポイント上回る58%だった。
東大入学について
東大入学を意識した時期は高校1年が28%で最多。高校2年が25%
実力以外で東大合格に必要なものを聞くと「周りの環境」が52%でトップで、43%の「運」、39%の「保護者の経済力」が続く。教育格差の拡大が取り沙汰されている影響か、「保護者の経済力」と回答した新入生の割合は5年前の29%から10ポイント上昇している。
入試制度
前期日程合格者の推薦入試への賛否は、賛成77%に対し反対22%と賛成が大きく上回った。賛成は一昨年が53%、昨年が64%と年々増加。推薦入試導入から2年がたち、推薦入試への理解度が高まっていることがうかがえる。
理Ⅲ志望者対象の面接試験復活を受け、面接試験実施の是非について聞いたところ「理Ⅲのみ行うべきだ」が61%を占め、「全科類で実施すべきでない」と答えた新入生は9%にとどまった。理Ⅲ生の中でも「理Ⅲのみ実施すべきだ」「全科類で実施すべきだ」合計で72%の新入生が面接試験に理解を示している。
大阪大学・京都大学などでの出題ミスを受けて文部科学省が求めている、入試問題の解答例の公表について尋ねると「公表する必要はない」「公表すべきでない」合わせて56%が解答例を公表しない東大の方針を支持した。東大は非公表の理由を「多様な解答プロセスを重視するため」としている。この二つの回答の合計は、文科で60%、理科で54%と6ポイントの差がついた。
2018年4月20日12:20【記事訂正】出身地別割合のグラフを追加しました。
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2017年度の新入生アンケート
東大新入生アンケート2017① 推薦合格者、女子は4割 「エリート意識ある」半数割れ
東大新入生アンケート2017② 支持政党は自民36%、民進4.5% 無支持は43%
この記事は、2018年4月17日号からの転載です。新入生アンケートの全結果は紙面で掲載しています。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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