情報基盤センター(センター長=中村宏教授)は1日、筑波大学計算科学研究センターと共同で、国内最高性能を持つスーパーコンピューター(スパコン)の運用を開始した。柏Ⅰキャンパス内に設置され、国内で初めて導入・運用など全過程を2大学共同で実施する。開発費は2021年度末までの貸出や保守を含め約72億円だ。
新たなスパコン「Oakforest-PACS(オークフォレスト・パックス)」は、最大で1秒間に約2・5京回(京は兆の1万倍)計算でき、理化学研究所の「京」の約2・2倍の性能を持つ。システムは富士通が製作し、今年10月から部分的な運用を開始。11月にはスパコンの性能を競う世界ランキング「TOP500」で7位の「京」を超える国内首位の6位となった。
本年度末までの実験的運用を経て、4月からは各種研究や講義など幅広い利用を予定。中島研吾教授(情報基盤センター)は1日の記者会見で、地球温暖化のシミュレーションを例に挙げ「これまでは計算量の問題で大気と海洋で別々に計算していたが、今後はまとめて計算することで実態に合った予測が可能になる」と期待を込めた。
「Oakforest-PACS」という名称は、東大の「Oakleaf-FX(オークリーフ・エフエックス)」、筑波大の「HA-PACS(エイチエ―・パックス)」など過去のスパコンの名称に由来する。中村教授は「両大学が先頭に立って、日本のスパコン開発を引っ張っていきたい」と意気込んだ。
この記事は、2016年12月13日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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