推薦入試や進学選択など、東大の新制度が実施された2016年。七大戦優勝や東大で研究経験がある大隅良典栄誉教授(東京工業大学)のノーベル賞受賞などうれしい出来事があった一方、論文の不正疑惑など波紋を呼ぶ動きも相次いだ。東大の1年のニュースを全7回にわたって振り返る。
進学選択、初の実施
進学振分けに替え、初めて実施された2017年度進学選択。新設の第3段階では面接など成績以外の基準が用いられ、対象者のみに実施学科や定数が通知された。第2段階と異なり学部をまたいで志望できたことが第3段階参加者への取材で分かった。成績以外の評価の使用について本部学務課は「強く進学を志望していない学生の存在を明確化できた」と意義を説明。緊密に連絡を取るため実施学科や定数を対象者のみにメールで通知したとし、今後UTask-Webでの公表も検討するという。さらに第2段階までに進学先が未内定の学生への救済措置として従来行われてきた「再志望」と別に実施したことに関して、第3段階がある程度定着した後に両者を統合する可能性を示唆した。
18年度進学選択の変更点も判明した。第2段階では志望登録数が無制限となる他、志望順位による不公平を解消するため「受入保留アルゴリズム」という仕組みを導入。志望順にかかわらず内定可能な学部・学科のうち最も志望順位の高いところに内定できるようになる。
【東大2016総決算】