推薦入試や進学選択など、東大の新制度が実施された2016年。七大戦優勝や東大で研究経験がある大隅良典栄誉教授(東京工業大学)のノーベル賞受賞などうれしい出来事があった一方、論文の不正疑惑など波紋を呼ぶ動きも相次いだ。東大の1年のニュースを全7回にわたって振り返る。
入試関連で多くの変更
今年は東大入試が大きく変わった。東大は後期試験に替え初実施した2016年度推薦入試の最終合格者を2月10日に発表し、全学部・学科合計で約100人の募集に対し77人が合格。法学部・理学部を除き合格者数は募集人員を下回ったが、各学部からは「明らかに『良い学生』に出会えた」との反応があった。17年度推薦入試も16年度と同形式で行われている。推薦要件が高すぎるとの誤解を解くため、科学五輪出場といった推薦要件が例示であると強調するなど募集要項を修正したが、17年度の出願者数は16年度と同じ173人だった。
前期試験も変化する。東大は3月10日、18年度入試から11年ぶりに理Ⅲ入試で面接試験が復活すると発表した。出願時に提出の志望動機書などを基に自由面接で受験者のコミュニケーション能力を評価。医療従事者にふさわしい学生を多面的・総合的に選抜する他、本当に医療に関わりたいのか自省する機会を受験生に与えるとしている。前期試験をめぐっては17年度入試から、キャンパス内工事で14年度入試から中止していた合格者番号の掲示を再開することも11月14日に公表された。3月10日の午後0時半に、本郷キャンパスの法文1号館と法文2号館の間に掲示予定。胴上げ禁止ゾーンを設けるなど安全面に配慮するという。
【東大2016総決算】