東大は2月16日、2021年度学校推薦型選抜の最終合格者を発表し、100人程度の募集人員に対して過去最多の92人が合格した(表1)。同日の記者会見で、入試・高大接続担当の福田裕穂理事・副学長は「本年度からの制度改革に見合う数字で、一歩前に進んだ」と語った。推薦入試担当の武田洋幸副学長(東大大学院理学系研究科教授)は「新型コロナウイルス流行下にもかかわらず多くの応募があったという点で、非常に成功」と評した。
合格者数が募集人員の目安に届かなかったのは、工学部、農学部、薬学部と、過去最少の3学部だった。経済学部、文学部、工学部、医学部健康総合科学科は、合格者数が過去最多を更新した。福田理事・副学長は「定員に達しなかった学部については分析する」とし、武田副学長も「まずは現行方式の定着を図るが、ここで満足して終わりではない」と語った。
女性の合格者数は42人と、過去最多を記録(表2)。女性が全合格者に占める割合は前年度比0.5ポイント増の45.7%で、過去最高となった。ただし学部によって、男性と女性の割合には違いが見られた。
本年度は出願者267人のうち、女性が116人で、全体の43.4%となっていた。福田理事・副学長は「学校推薦型選抜も一般入試も、全合格者に占める女性の割合は、全出願者に占める女性の割合に比例する」とした上で、今後も女性の受験生が増えるような施策を打つ意向を示した。
関東圏外出身者は50人で、比率は同3.2ポイント減の54.3%となった(表3)。福田理事・副学長は、関東圏外の高校教員の話に基づく推測として「新型コロナウイルスの影響で、地元の大学に進学したい生徒が増えた可能性がある」と指摘した。
東大は16年度に推薦入試を導入して以来、合格者数が募集人員より20~30人程度少ない状況が続いていた。21年度から名称を「学校推薦型選抜」に変更し、1校当たりの推薦可能人数も増加。21年度の出願者数は過去最多の267人となっていた。
2021年2月21日21:58【記事修正】タイトルや本文中に「学校推薦型入試」という箇所がありましたが、正しくは「学校推薦型選抜」です。お詫びして訂正いたします。