受験

2018年6月18日

【推薦の素顔】下村光彦さん 人工知能全盛の時代で活躍目指す

 2016年度から、多様な人材の獲得を目的として導入された「推薦入試」。ペーパーテストが主な評価対象となる一般入試とは異なり、小論文や面接などが課されており、毎年個性的な学生が推薦入試を利用して入学します。そんな彼らを一人一人取材するのが本連載「推薦の素顔」。東大に新たな風を吹き込む彼らに、あなたも触れてみませんか。

下村 光彦(しもむら・みつひこ)さん
(理Ⅰ・2年→工学部)

 

 小学5年生のときロボット教室で、センサーのついたロボットの動きを制御するプログラムを設計。「直進」「左に転回」など動きを示すアイコンを組み合わせるだけの簡単なものだったが「作ったものが形になって動く」と魅了された。

 

 中学3年時には独学で本格的なプログラミングを学び始め、メモ帳アプリやゲームで約30万円を売り上げるほどの実力に。高校時代には、近所の人に代行を頼める点で従来にない買い物代行サービスのシステムを開発し、起業も果たした。

 

 推薦入試を強く志望するようになったきっかけは『ポスト・ヒューマン誕生』という1冊の本。1台の人工知能が人類の総知能を上回る瞬間を予言する。その後の人類は、人工知能を搭載した微小な機器を体内に取り込むことで超人的な能力を手に入れるという。「その時代に第一線で活躍していたいと強く思いました」。本で描かれた世界の実現のために不可欠となる遺伝子工学やナノテクノロジーの発展に寄与すべく、東大で分野横断的に研究したいと強く感じたという。2次試験で受かる自信が100%ではなかったことも推薦入試の受験を後押しした 。

 

 「何回『分かりません』と言ったか……(笑)」と漏らすほど厳しい面接を通過し、無事入学。今は「人工知能に効率的に人間の行動を学習させる道具となる」というバーチャルリアリティ(VR)に関心を寄せる。VRを製作するサークルに入った他、推薦生ならではの利点も生かし専属の教員を通してVRを研究する研究室を訪問するつもりだ。VRの他にも「ビハインドしかない」という学業や起業した会社の運営に大忙し。来たる新たな世界に向け「三足のわらじ」で走り出す。

 

(取材・撮影 児玉祐基)

 

【推薦の素顔】

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この記事は、2017年6月13日号に掲載した記事を再編集したものです。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

 

 

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