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2025年1月13日

【水泳部競泳陣】第2回関東学生選手権(25m)で東大選手が躍動 各選手のコメントも

 2024年12月21~22日、東京アクアティクスセンターにて第2回関東学生選手権(25m)水泳競技大会が行われた。東大からは10種目に計7人が出場。松本恭太郎(工・3年)が男子50m平泳ぎでは1位、男子100m平泳ぎでは決勝2位となり、9月の第100回日本学生選手権水泳競技大会に引き続き好成績を収めた。一方で、小野七晴(理Ⅰ・2年)や水野吉晴(文Ⅲ・1年)も決勝に進出するなど、下級生の躍動も目覚ましかった。今回は、1日目の様子を取材した。(取材・吉野祥生、増宮越朗)

 

競技結果

 

1日目

<予選>

女子50m自由形 馬場知世(文Ⅲ・1年)38秒56

男子100m背泳ぎ 益子裕太(工・3年)55秒56

男子100m平泳ぎ 松本恭太郎(工・3年)58秒91

混合4×50mメドレーリレー 益子裕太・松本恭太郎・小野七晴・馬場知世 1分59秒33

<決勝>

女子200mバタフライ 小野七晴(理Ⅰ・2年)2分17秒22(5位)(タイム決勝)

男子100m平泳ぎ 松本恭太郎 58秒36(2位)

 

2日目

<予選>

男子50m平泳ぎ 近藤伶穏(文II・1年) 29秒53

        松本恭太郎 27秒69

男子50m背泳ぎ 益子裕太 25秒82

男子200m個人メドレー 水野吉晴(文Ⅲ・1年) 2分1秒61

女子100mバタフライ 小野七晴 1分3秒39

男子200m平泳ぎ 近藤伶穏 2分22秒80

          持田隼人(法・3年) 2分12秒69

<決勝>

男子50m平泳ぎ(スキンレース) 松本恭太郎

第1レース 27秒30

第2レース 27秒16

第3レース 27秒34(1位)

男子200m個人メドレー 水野吉晴 2分2秒53(8位)

 

大会概要

 

 関東学生選手権(25m)水泳競技大会は、23年からインカレの短水路大会として創設され、今大会で2回目。前年度よりも規模が拡大し、関東の各大学の選手だけでなく、一部の高校生もオープン参加として出場した。

 

1日目予選

 

 東大からは4名の選手が女子50m自由形、男子100m背泳ぎ、​​​​男子​​​​100m平泳ぎ、混合4×50mリレーに出場。それぞれの選手が練習の成果を発揮した。

 

 女子50m自由形予選には、予選1組で馬場知世が出場。38”56のタイムでフィニッシュし、最後まで全力の泳ぎを見せたが、決勝進出の条件となる全体順位8位以内には入れなかった。

 

女子50m自由形に出場した馬場(撮影・吉野祥生)

 

 男子100m背泳ぎには益子裕太が出場。前半50mを26”94で折り返し、その後もペースを乱さず、55”56でゴールしたが、全体順位は13位となり、決勝進出は果たせなかった。

 

スタートを待つ6レーンの益子(撮影・増宮越朗)

 

 次いで、男子100m平泳ぎには松本恭太郎が出場。最初の50mを27”63の好タイムで通過し,先頭で折り返す。同年9月に行われた第100回日本学生選手権水泳競技大会の記録28”41より速いタイムとなった。後半の50mもテンポの早い動きを崩さず,2位との差を広げてこの組1位となる58”91でフィニッシュ。全体でも2位となり、決勝の進出を果たした。​​​​

 

 ​​​​​​​​​​混合4×50mメドレーリレーでは、第一泳者の益子が25”68の好タイムでバトンをつなぐ。東大は、25”53で第二泳者に繋いだ1番手の順天堂大学を僅差で追う展開に。第二泳者は100m平泳ぎを泳ぎ切ったばかりの松本だったが、27”10の好タイムを記録。順天堂大学を大きく引き離して1番手に躍り出て、2番手の青山学院大学とは1”21の差を付ける圧巻の泳ぎを見せる。続く小野も28”60でアンカーの馬場にバトンをつなぎ、激しい1番手争いにもつれ込んだレースは目の離せない接戦に。馬場はアンカーとして冷静にレースを進め、ペースを守り続けたが、最後は惜しくも1”59”33のタイムで7着となった。最後まで全力を尽くし、熱い戦いを見せた選手に声援が贈られて、午前の部は幕を下ろした。

 

4×100mリレーを終えた東大の選手たち。左下から小野、益子、松本、馬場。(撮影・吉野祥生)

 

1日目決勝 

 

 東大からは、小野と松本が午後の決勝に進出した。小野は女子200mバタフライにエントリーするも、予選は棄権者多数のため行われず。そのまま進出した決勝では上位集団から少し離されつつも食らいつき、自己ベストに迫る2’17“22で5位につけ実力を見せた。

 

前の選手を懸命に追いかける小野(撮影・吉野祥生)

 

 松本は予選から時間が空いたものの、予選2位から流れを引き継いで男子100m平泳ぎ決勝へ。隣のレーンを泳ぐ予選1位の明治大学・小嶋にどこまで競り合えるかが勝負だった。松本は、勢いよくスタートすると、最初の50mは27”55と3番手で折り返す。ここでは2番手・小嶋との差は0”05と肉薄。ここで松本は、予選でも後半ペースを落とさなかった小嶋についていきたいところ。

 

 しかし、最後は小嶋の力が上回り、最後は差が0”54に広がり2着でフィニッシュ。小嶋は自己ベストを更新しての1位となり、松本は予選と同じ2位となった。しかし、最後に失速する選手が多い中、松本選手は最後の25mに順位を上げるなど粘りの泳ぎを見せ、実力をしっかりと示した。

 

後半、奥の明治大学・小嶋や手前の早稲田大学・松田を追う、赤帽子の松本(撮影・吉野祥生)

 

2日目

 

 2日目も東大の選手が躍動した。男子200m平泳ぎでは、持田隼人が自己ベストを1”99縮める2’12”69で予選12位。決勝進出には届かなかったが、日本学生選手権の標準記録を突破する好タイムで、成長を見せつけた。

 

 男子200m個人メドレーでは水野吉晴が2’01”64と自己ベストを4秒以上縮め、予選7位で決勝進出。水野も1年生ながら、日本学生選手権の標準記録を突破する好タイムを記録した。

 

 松本恭太郎は男子50m平泳ぎ(スキンレース)に出場。スキンレースは勝ち残り方式で全3回競技が行われ順位が決まる。その中、松本は、タイムを落とすことなく勝ち抜け、1位。連日好成績を残した。

 

各選手のコメント

 

 1日目に出場した各選手および、2日目に決勝に進出する活躍を見せた水野選手に、大会後にコメントをもらった。

 

馬場知世選手(文Ⅲ・1年) 

 今回の大会で私は、松本さん、益子さん、七晴さんの3人の先輩方とチームを組み、男女混合200mメドレーリレーに出場、最終泳者として自由形を泳ぎました。大学水泳界にその名を轟かせ、競泳陣を代表する大スターでいらっしゃる 3 人の先輩方と、大学から本格的に競泳を始めた、初心者レベルの私。あまりにも差がありすぎて、私がチームの足を引っ張ることは、火を見るよりも明らかだったので、参加を打診された時、お断りしようと思いました。しかし、私が出ないとリレーに必要な人数が揃わず、先輩方が出場できなくなってしまうので、清水の舞台から飛び降りるつもりで出場を決意しました。  

 

 当日は本当に、無我夢中で泳ぎました。しかしやはり私の力不足で、先輩方が目指していた決勝進出は叶いませんでした。自分の不甲斐なさの現実を突きつけられ、打ちのめされました。例えようのない辛さでした。また同時に、明らかに私がチームの足を引っ張ってしまったにも拘(かか)わらず、一切私を責めることをしなかった先輩方の、寛大さとお心遣いに、強く心を打たれました。速くなりたい、速くならなくてはいけない、と心底思いました。  

 

 今回味わった気持ちをバネに、練習に励むつもりです。先輩方のお蔭で、大変貴重な経験をさせて頂きました。  

 ありがとうございました。  

 

小野七晴選手(理Ⅰ・2年) 

 1日目に行われた200mバタフライは急遽タイム決勝となり、強豪校の選手が揃う決勝の舞台で泳げたことがとてもよい経験になりました。前半から攻めて100mまでは自己ベストペースで入れましたが、後半に少し失速してしまった点は課題です。それでも、次につながる収穫の多いレースだったと感じています。また、混合リレーでは自分のタイムに納得がいかなかったものの、チームで競技を楽しむことができ、とても充実した大会となりました。これからも日頃の練習に一層励み、日本学生選手権の標準記録の突破や東大記録の更新を目指して精進していきます。 

 

益子裕太選手(工・3年)

 今大会は強化期間の最中ということもあって、元々タイムはそこまで狙えないかなといった気持ちで臨みました。その中でもレースでしか味わえない緊張感や高い強度を出した泳ぎから年末年始の泳ぎ込みに向けて課題を見つけたり、水泳の楽しさを感じてモチベーションを上げていければと思っていました。100m背泳ぎは自己ベストから0.4秒ほど離れてしまいましたが、この時期にしてはまあまあかなといった手応えでした。ここ最近は練習を積んでいる中でも自己ベストに近いタイムでは泳げているので、年明けくらいにはベストタイムを更新できるかなと感じてます。混合リレーでは50m背泳ぎを泳がせてもらって、こちらのタイムは思っていたより少し遅いかなといった印象でしたが、なかなか出る機会がない男女混合でのレースは新鮮で楽しかったです。 

 

 また今回の試合には高校時代の恩師が来ていて、久しぶりに自分の今の泳ぎを見てもらってアドバイスをもらったり、今の練習計画やあと1年の水泳の取り組み方なども相談に乗ってもらえました。やるべきことがはっきりしたので、年末年始のスイマーにとって一番きつい期間も未来の自分に期待を持って楽しく練習に取り組んでいけそうです。 

 

 今シーズンは僕にとって水泳人生最後のシーズンになるので、個人としても悔いなく最高の結果を出せればと思っていますが、チームとしても史上最強の東大水泳部を見せつけられればと思い日々練習しているので、今後も応援よろしくお願いします! 

 

松本恭太郎選手(工・3年) 

 10月から新シーズンが始まり泳ぎ込みの中でしたがまずまずの結果だったかなと思います。 

 ベース作りということでクロールや個人メドレーの練習が中心だったので平泳ぎのスピードが若干上がらないと感じるところがありました。そうした中でしたがライバルに負けたくない気持ちで泳いで自己ベストに迫るタイムで泳ぐことができました。スピード練習にもなったのでこの感覚を忘れずに練習していきたいと思います。 

 

 久しぶりの得意な短水路の試合ということもありましたし、普段は仲の良いライバルたちと表彰台を争って勝負することもできて試合自体も楽しむことができました。一方で彼らのレースを見て自分ももっと頑張らないといけないなと思ったのでこれからも練習を積んでいきたいと思います。 

 

水野吉晴選手(文Ⅲ・1年)

 いつも出ている背泳ぎではなく、基礎力強化も兼ねて、インカレ標準記録突破を目標に200m個人メドレーに出場しました。自分は平泳ぎに苦手意識がありましたが、9月頃から先輩方に泳ぎを見てもらい、アドバイスを受けて今回のカンカレ(関東学生選手権(25m)水泳競技大会)に臨みました。 

 

 予選ではバタフライで出遅れたものの、専門種目の背泳ぎで2位まで追い上げ、その後の平泳ぎ、クロールも順位を下げることなく組2番でゴールしました。目標としていたインカレ標準を無事突破でき、また予想外にも7番通過で決勝に進むことが出来ました。 

 

 決勝では周りの選手や雰囲気に圧倒され、予選より1秒遅いタイムで終わってしまいましたが、カンカレの決勝の舞台に立てたことは今後に繋(つな)がる貴重な経験になったと思います。

 

 夏の対抗戦に向けて今年も頑張ります! 

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