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2024年9月28日

【水泳部競泳陣】第100回インカレに東大選手が多数出場 決勝での好タイムも

 9月5日〜8日、東京アクアティクスセンターにて第100回日本学生選手権水泳競技大会の競泳競技が行われた。東大からは10種目にのべ9人が出場した。男子100m平泳ぎと同じく男子200m平泳ぎでは松本恭太郎(工・3年)が決勝に進出するなど、各選手の健闘が光った今大会。2日目と3日目の様子を取材した。(取材・宇城謙人、五十嵐崇人、撮影・宇城謙人)

 

大会2日目 100m平泳ぎで松本が決勝進出 堂々たる泳ぎを見せる

 

 競技資格があるのは各地区の大会で各種目2番以内のタイムを残すか、大会が定める標準記録タイム以内のタイムを持つ選手のみ。厳しい出場条件の中でも、東大から多くの選手が出場した。

 

 大会2日目は女子200mバタフライ、男子100m平泳ぎ、男子4×100mフリーリレーに東大から選手が出場。それぞれの選手が練習の成果を発揮した。

 

 女子200mバタフライ予選には、2組で藤倉璃保(工・4年)が出場。最初の50mをこの組6番となる30”56で折り返す。100mのターンは8番手に順位を落としてしまうが、次の50mを36”31、最後の50mを37”41で粘りの泳ぎを見せ、最終タイムは2’19”65、この組の6着でフィニッシュ。この大会では全体1番から8番までのタイムの選手で決勝が、9番から16番の選手でB決勝が争われるが、藤倉は全体で36番のタイム。決勝進出とはならなかったが、最後まで粘りの泳ぎを見せた。

 

 男子100m平泳ぎ予選には3選手が出場。1組には第1レーンに中西祥旗(理I・2年)、第5レーンに佐々木翔(育・3年)が登場した。この組では、中西の攻めのレースプランが際立っていた。中西は前半50mから積極的に先頭争いを繰り広げ、この組2番となる30”07で折り返す。後半も33”64とタイムを大きく落とさず、先行する選手を追い抜いて1’03”71のこの組1着でレースを終えた。佐々木は1’06”41でこの組8着。前半からレースの展開に圧倒される結果となってしまった。なお、中西は全体45番、佐々木は76番で予選敗退となってしまった。

 

 圧巻だったのは7組で出場した松本恭太郎(工・3年)だ。前半を28”41という、全体でも2番となる好タイムでこの組2番手。熾烈な先頭争いを繰り広げる。後半も早いテンポの泳ぎを崩さず、1’00”84でのフィニッシュはこの組4着。全体でも7番のタイムとなり、午後の決勝に回った。

 

 続いて行われた男子4×100mフリーリレーは、4人が100mずつ自由形を泳いで競うリレー種目。東大は堀壮介(経・4年)、松本、佐々木、前田英俊(経・4年)の泳順で臨んだ。堀は前半25秒台のタイムで折り返し、6番を争うも、後半上位に離され松本につなぐ。100m平泳ぎを泳ぎ切ったばかりの松本だったが、52”87で100mを泳ぎ切り順位を9番から8番に上げる。続く佐々木も前半から25”22と飛ばし、4番手までを射程に入れるデッドヒートにスタンドは大声援を送る。300mでは7番手のタイムとなり、アンカーの前田に希望をつなぐ。前田は激しい4番手争いに食らいついていくも、最後はわずかな差で8着に。東大は予選敗退となってしまうが、最後まで選手が熱い戦いを見せた。

 

4×100mフリーリレー 第7レーン東大は激しい追い上げを見せる
4×100mフリーリレー 第7レーン東大は激しい追い上げを見せる

 

 午後には松本が男子100m平泳ぎの決勝に出場。ここでも持ち前の速いテンポの泳ぎで、激しい先頭争いを繰り広げる。前半は28”42で2番手で折り返すと、後半も粘りの泳ぎをみせる。後半も横一線の激しいレースとなり、必死に食らいつくもわずかな差で7着。インカレ決勝の舞台での堂々たる泳ぎは観戦者を魅了した。

 

100m平泳ぎ・決勝で序盤から先頭争いに加わる松本(奥)
100m平泳ぎ・決勝で序盤から先頭争いに加わる松本(奥)

 

大会3日目 各選手が見せた最後まで諦めない泳ぎ 数々の熱いレースを繰り広げる

 

 大会3日目は東大から4種目に選手が出場。男子100m背泳ぎには2組で前田、5組で水野吉晴(文III・1年)と益子裕太(工・3年)が出場した。

 

 前田は前半29”21でこの組6番。50mのターンから勢いをつけ、結果的にこの組3着だった。5組は上位から下位まで横並びの激しいレース展開となった。2レーンの水野は前半を28”15、9レーンの益子は28”24と、それぞれ4番、5番手で折り返す。その後水野は大きなストロークの泳ぎで、益子は速いテンポの泳ぎと対照的な泳ぎで上位を必死に追いかけるも後半で順位を上げることはできず、水野は58”13の4着、益子は58”76の7着でレースを終えた。東大はこの種目から決勝に進むことができなかったが、各選手がそれぞれ好タイムを記録した。

 

 男子200m個人メドレー予選には、2組で中西が出場。この種目は、50mずつバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形の順に泳いでタイムを競う種目だ。中西は100m平泳ぎで見せた積極的なレース展開をここでも見せる。バタフライから飛ばし、最初の50mでは26”54でこの組2番。背泳ぎでは順位を2つ下げるも、それでも上位3人に食らいつく。続く得意の平泳ぎでは大きな泳ぎで激しく追い上げ、上位との差を縮める。しかし最後の自由形で順位を落としてしまい、結果2’12”37はこの組9着。予選敗退となってしまったが、中西の積極的なレースプランは後から出場する選手に勇気を与えた。

 

200m個人メドレーで中西(手前から2番目)は序盤から積極的に前に出る
200m個人メドレーで中西(手前から2番目)は序盤から積極的に前に出る

 

 この日最後の個人種目となった男子400m自由形予選には笠原颯太郎(育・4年)が出場。第0レーンの笠原は左手より右手でゆったりと水をかく泳ぎで、横並びの順位争いに加わる。200mの折り返しを2’00”80のこの組6番手で迎えると、テンポを上げて上位に必死に食らいつく。最後はペースを上げた上位にやや離されてしまい、4’06”87でこの組7着。惜しくも予選敗退となったものの、最後まで全力を尽くした泳ぎにスタンドは声援を送った。

 

 この日の予選で最後に行われたのは、男子4×100mメドレーリレー。4人が100mずつ、1泳が背泳ぎ、2泳が平泳ぎ、3泳がバタフライ、4泳が自由形で競う種目。東大は5組で出場し、1泳・益子、2泳・松本、3泳・中西、4泳・佐々木のオーダーを組んだ。益子はハイレベルなこの組の争いになんとかついていき、100m時点で9着。ここで前日100m平泳ぎで決勝に進出した松本につなぐ。松本がさすがの追い上げをみせ、東大は6番手争いに加わる。6番手まで僅差の8番で中西につなぐと、中西は50mを26”18のタイムで泳ぐ。しかし他大学の激しい追い上げに、300m時点では東大は10番手に順位を落とす。最後は4泳の佐々木に望みをつなぐも、体1つ分の9番手との差を埋めることはできず、結果3’49”92はこの組10着。決勝進出とはならなかったが、全員3年生以下でオーダーを組んだリレーは今後への期待が膨らむ。

 

4×100mメドレーリレー アンカー・佐々木は最後まで諦めない
4×100mメドレーリレー アンカー・佐々木は最後まで諦めない

 

 また松本は、4日目に200m平泳ぎに出場し、ここでも決勝に進出。決勝は2’11”88で4着。0”92差で表彰台を逃すも、確かな実力を見せつけた。

 

 4日間で松本が2種目で決勝に進出するなど、大健闘をみせた東大。3年生以下の選手も多く、今後の躍進に注目だ。

 

松本選手のコメント

 

 とにかく憧れの決勝に残れてうれしかったです!

 

 去年のインカレはベスト記録を大幅に更新してB決勝1位をとることができましたが、進振りと所属の変更で環境が変化してなかなかうまく泳げずに不安な時期が続いていました。しかし今回ベスト記録をもう一度更新できて今までやってきた練習が間違ってなかったと感じられて安心しましたし、今まで背中を追いかけてきた選手たちと大舞台で一緒に泳げて幸せでした。また九州大学や岡山大学の同期が決勝に残っているのを見て勇気をもらうととともに負けてられない!とも思っていたので自分も決勝にのこれてうれしかったです。

 

 初めての大舞台でシード校の応援もすごく、100mの決勝では雰囲気に飲み込まれてしまい、自分の思うようなレースができませんでしたが、最終日の200mでは2回目ということもあり落ち着いて雰囲気を楽しむことができました。200mの決勝は自分のペースで泳ぐことができましたが11秒まで出るとは思っていなかったので驚きました。

 

 3位までは差がありましたが、来年は表彰台に乗りたいです!

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