東大の学生連絡会である学費値上げ反対アクション:文学部連絡会(連絡会)は6日、複数の学生団体や自治団体とともに「学費値上げに反対する全学緊急集会」を共催した。集会は法文2号館1番大教室で行われ、約400人が参加したほか、駒場Ⅰキャンパスからのオンラインでの参加者もいた。
集会では鈴木泉教授(東大大学院人文社会系研究科)、隠岐さや香教授、本田由紀教授(ともに東大大学院教育学研究科)が登壇。授業料値上げの目的や経緯に関する説明が不十分だという主張のほか、他国と比べ日本の大学は学費が高いのにかかわらず、奨学金が不十分であるなど、日本の大学の学費に関する構造的な問題も指摘された。
学生の演説では、「大学側が学生抜きに授業料の値上げを決めようとしているのは、学生から大学運営への参画の機会を奪っており、東大憲章の理念に反している」など、授業料値上げの経緯への批判のほか、「学費とは本来無料であるべきだ」「東京大学がさまざまな大学と連携し、国に対して高等教育予算の拡充を訴えることが先である」などの意見が出された。
全学緊急集会は決議文を採択。▼授業料値上げ案の撤回▼学生不在で授業料値上げ案の検討が進められたことへの抗議▼21日に行われる総長対話での学生の意見の聞き入れ及び対面開催の要請▼学生団体との公開の場での交渉の要請─などを盛り込んだほか、他大学の学生と連携し、学費無償化などを議論する場を設けることを定めた付帯決議も採択された。
連絡会によると、決議文は学生支援課を介して東大総長の秘書室に届けられたほか、文学部・教育学部へ提出された。連絡会は各教員に対し学生への連帯を呼びかけている。