東京六大学野球オールスターゲームが8月26日に開催され、東大硬式野球部から8名が参加した。今年の開催地は群馬県桐生市の「小倉クラッチ・スタジアム」。試合は七回表に発生した激しい雷雨により中断後、そのまま終了。規定により、東大の所属する渡良瀬ストリームズがコールドで勝利を収めた。
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六大学オールスターでは毎年、開催地にゆかりの地名を冠したチームを組み対決することとなっている。東大は法政大学、慶應義塾大学とともに「渡良瀬ストリームズ」を結成。明治大学・早稲田大学・立教大学で構成された「赤城ウィンズ」と戦った。
この日、「渡良瀬ストリームズ」のスタメンに名を連ねた東大メンバーは2番DH・酒井捷(文Ⅱ・2年)、8番セカンド・山口真之介(薬・3年)、9番センター・別府恍太朗(育・4年)の3名。試合は一回裏、早大・熊田の適時打で赤城ウィンズに先制される幸先の悪い滑り出しとなる。しかし二回表、反撃の狼煙をあげたのは東大の選手たちだった。一死一、二塁の場面で打席に立った山口が安打でチャンスを広げると、続く別府が犠飛を放ち同点。さらに後続も続いて一気に逆転を果たした。
東大勢初安打を記録した山口(撮影・川北祐梨子)
野手陣の援護を貰った渡良瀬の投手陣は二回以降安定した投球を見せる。両チームが誇る速球派が150キロ近い投球を連発し、投手戦の様相を呈しはじめた展開が動いたのは五回表、またも東大選手のバットからだった。この日ここまで快音が響いていなかった酒井が無死一塁の場面で打席に立つと、相手投手のストレートを一閃(いっせん)。見事ボールは右翼線を破り、チャンス拡大に成功した。二回と同様、東大選手が作ったチャンスを後続の他大メンバーが返す黄金コンビでリードを拡大した。
指名打者起用に応えた酒井(撮影・川北祐梨子)
その後六回からはベンチで控えていた藤田峻也(農・3年)、梅林浩大(育・4年)もグランドイン。東大野手陣は見事全員出場を果たした。試合は六回に互いに点を取り合ったところで突如、雷雨が発生し中断。しかし、プロ野球では定番となっている「雨中のヘッドスライディング」(詳細は下記画像)を各大学の選手達が自ら披露。プレーが叶わない状況でも、観客を沸かす選手達の姿勢には惜しみない拍手が送られた。
会場に詰めかけた全員が晴天を願う状況ではあったが、その後雨は止むことはなく、規定によりあえなくコールドゲームが成立。この日、野手6人のうち捕手の和田泰晟(農・4年)以外は全員出場したものの、松岡由機(経・4年)・鈴木健(育・4年)の2人の投手の出番は最後まで訪れず。それでも、勝利に貢献しつつプレー以外でも、この日球場に詰めかけた群馬の野球ファンに強烈なインパクトを残した。