東大大学院情報学環はシングルマザーの自律を支援する教育プログラムの開発・評価に関する日本シングルマザー支援協会との共同研究を開始した。同会の推進するプログラムを学術的に評価し、改良・システム化することを目的としている。
日本シングルマザー支援協会は、シングルマザー自立支援や女性起業支援を行う一般社団法人。シングルマザーの就職を手助けする「MES(ミーズ)就職プログラム」や、シングルマザーの当事者がひとり親子に関する相談業務を行う「ひとり親コンシェルジュⓇ」などのプログラムを実施している。東大側の研究代表者・藤本徹准教授(東大大学院情報学環)は、性格傾向などの評価方法や学習支援の個別化といった仕組みを提供し、個人に応じた自立支援の充実や学びの入口の創造に貢献したいとコメント。今回の共同研究では①個人の状況に合わせたプログラム提供により「ひとり親コンシェルジュ®」や「MES」の効果を高める基本モデルの構築②シングルマザー個人の特性把握を行う診断ツールの開発③「ひとり親コンシェルジュⓇ」育成の体系化・システム化に向けたプログラム改訂案の検討─を行うとしている。
藤本研究室は、学びや成長につながる「Ludic Experience(楽しい経験)」を創る学習コンテンツの開発や教育プログラムのデザイン方法論を研究している。日本シングルマザー支援協会は、シングルマザーの就職・転職の支援や、コミュニティー創出による交流支援の体系化を通じて、女性の経済的・精神的自立を援助している。2013年の設立以来、複数の自治体や企業とも連携してきた。