法務省は6日、2014年度司法試験予備試験の最終合格者を発表した。合格者数は356人で、昨年度の351人とほぼ同様。合格率は3.4%で、昨年度の3.8%から減少した。最終合格者の約80%は、法科大学院や大学に在学する受験者だった。受験者数は10347人で、昨年度より1100人以上増えた。
受験者は短答式・論文式・口述の三つの試験を受け、最後の口述試験に合格すると、最終的な合格となる。各段階の合格率は順に約20%・約20%・約91%だった。昨年度は順に約22%・約20%・約93%で、大きな変化はなかった。
法科大学院生が47%、大学生が32%
出願時の最終学歴に関する調査によると、出願者12622人のうち、法科大学院在学中と答えた受験者数は昨年度の約1.3倍の1891人。うち168人が合格し、最終合格者全体の約47%を占めた。大学在学中と答えた受験者数は昨年度比400人増の2876人で、114人が合格し最終合格者全体の約32%となった。
予備試験の最終合格者は法科大学院修了者と同様、来年度から5年以内で司法試験を3回まで受験できる。学部、大学院共に大学別の合格者数は非公表で、東大からの合格者数は分かっていない。
予備試験は11年度から導入された制度。経済的理由などで法科大学院に通えない人にも法曹資格の取得機会を与えることなどを目的としている。年齢・学歴などを問わず、誰でも受験できる。
しかし、法科大学院在学中や大学在学中と答えた受験者が合格者の大半を占める現状が続いている。また本年度の司法試験での予備試験合格者の合格率は約67%で、法科大学院修了者の合格率の約21%を大きく上回った。これらを受け法務省では、予備試験の在り方も含め、法曹養成制度の見直しが進んでいる。
この記事は、2014年11月18日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。