東京大学新聞社は各学部・研究科への問い合わせを基に、2022年度卒業・修了者の就職状況を集計した。民間企業は、学部卒業者は楽天グループ、大学院修了者はアクセンチュアがそれぞれ首位に。省庁への就職は、学部卒業者では外務省が最多。大学院修了者は国土交通省が首位だった。
※回答者数は学部 1100人、大学院 2649人。弊紙7月号に全就職先一覧を掲載しています。
学部生:コンサル人気続く アクセンチュアが上昇
学部卒業者の就職先企業のトップは楽天グループ。前年度から人数は8人減ったものの、17人で3年連続トップとなった。前年度3位の三菱UFJ銀行は4人減ったものの2位となった。
コンサルティング企業は、人気は高いが変動が激しい傾向が続く。前年度2位だったマッキンゼー・アンド・カンパニーは、人数を23人から13人に減らし6位に。大学院でも1位だったアクセンチュアは前年度14位から7人増加し2位に躍進した。前年度初めてランクインしたEYストラテジー・アンド・コンサルティングは2年連続でランクイン。PwCコンサルティング(6位)やアビームコンサルティング(15位)なども前年度に引き続きランクインした。
広告業では、20年度は20位圏外だった博報堂が前年度と同じく12人で、9位に。前年度に16年度以来初めてランクインした電通は20位圏外となった。商社や銀行、証券などは三井住友信託銀行がランク外となった代わりに伊藤忠商事(15位)が2年ぶりに、みずほフィナンシャルグループ(20位)が4年ぶりにランクインした。
省庁は外務省が19人で前年度に続き首位に。前年度14人で2位だった財務省は3位に、3位だった総務省は2位になった。前年度10位圏外だった環境省が4人で8位につける結果となった。
院生:日本IBMが上昇 電気機器が上位に
大学院修了者のトップは前年度に続きアクセンチュア。前年度6位だった楽天グループは人数を7人増やして3位へ上昇。学部での1位と合わせて目立つ結果となった。前年度14位だった日本IBMは人数を倍以上に増やし2位へと急上昇した。ソニーや日立製作所などの電気機器が、サービス業と並んで上位を占めた。
前年度3位のソフトバンクは14位と順位を大きく下げた。一方、前年度初めてランクインしたファーウェイは17人で11位にランクイン。前年度20位圏外だったLINEは17人でファーウェイと同数の11位。情報・通信業では外国企業の勢いの強さが見られたものの、NTT データ(6位)やヤフー(9位)、野村総合研究所(10位)は上位を維持し日本企業も変わらぬ存在感を見せた。
省庁は前年度4位の国土交通省が11人で1位。前年度1位の経済産業省は5人減らし4位に、同率1位の農林水産省は10位圏外となった。前年度圏外の文部科学省が2位、同じく圏外だった外務省が4位にランクインした。原子力規制庁や水産庁もランクインし、全体を通して前年度からの変化が見られる結果となった。
《データの集計方法》
22年度卒業・修了者は23年3月卒業・修了者以外にも、22年9月卒業・修了者などを含む。
データは各学部・研究科への問い合わせを基に作成しており、各学部・研究科に報告していない者や、就職を辞退した者などの人数が反映されていないため、実際の就職者数と異なる場合がある。企業名などは学生の報告に基づく場合があるため、表記揺れが存在し得る。
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【記事修正】2023年7月29日15時9分、大学院修了者の集計総数を2653人から2649人に修正しました。お詫びして訂正いたします。