東京大学新聞社は各学部・研究科への問い合わせを基に2018年度卒業・修了者の就職状況を集計した。学部卒業者では三井住友銀行が、大学院修了者では日立製作所がトップ。中央省庁への就職は、学部卒業者では国土交通省が、大学院修了者では農林水産省が最多だった。
学部卒業者の就職先企業では、三井住友銀行が22人で最多だった。続いて2位に外資系コンサルティング企業アクセンチュア、3位に三菱UFJ銀行がランクイン。昨年度同様の顔触れの中、昨年度13位の東京海上日動火災が同率3位に食い込んだ。三井住友銀行は17人→22人と昨年度より人数が増えたものの、三菱UFJ銀行は21人→14人と昨年度の3分の2に。16年度に24人で2位だったみずほフィナンシャルグループに至っては、昨年度の16人よりもさらに減少し8人。昨年度のような三大銀行そろってのトップ10入りはならなかった。三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、三井物産の大手商社は本年度も上位にランクインしたもののいずれも就職者数の増加はみられなかった。
銀行・商社などが例年同様の顔触れの中、注目すべきがコンサルティング企業。昨年度から入れ替わりが激しいのが特徴だ。昨年度躍進を見せたアクセンチュアは本年度も健在だが、マッキンゼー・アンド・カンパニーとシンプレクスはトップ20から姿を消し、代わりにデロイト トーマツ コンサルティングとアビームコンサルティングがトップ20にランクインした。
大学院修了者では、日立製作所が人で3年ぶりの1位に輝いた。日立製作所は過去3年間で40人→34人→26人と人数が減少していたが、本年度は揺り戻しが見られた。対して昨年度に1位に躍り出たアクセンチュアは7位に転落した。(図2)
トップ10の企業は昨年度と比較して大きな入れ替わりはみられなかったが、昨年度6位だった日産自動車がトップ20から姿を消し、昨年度トップ20圏外のディー・エヌ・エーが18人で9位にランクインした。11位から20位までは入れ替わりが激しかった。みずほフィナンシャルグループや野村證券が姿を消した一方、パナソニックとJFE スチールは2年ぶりのトップ20入りを果たした。
中央省庁への就職者数を見ると、学部卒業者では、昨年度同様国土交通省が1位。続いて2位に外務省、3位に総務省と警察庁だった。大学院修了者では、農林水産省が11人で1位に躍り出た。一方、昨年度国交省と並んで1位だった経済産業省は8位と後退した。
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《データの集計方法》
2018年度卒業・修了者は2019年3月卒業・修了者以外にも、2018年9月卒業・修了者などを含む。
データは各学部・研究科への問い合わせを基に作成しており、各学部・研究科に報告していない者や、就職を辞退した者などの人数が反映されていないため、実際の就職者数とずれが生じる場合がある。一部の学部・研究科では進学者数が未公表になっている。
【記事修正】2019年11月30日18:18 昨年度の企業ごとの学部卒業者数について、昨年度の東京海上日動火災の順位を加筆しました。
この記事は2019年7月2日号に掲載された記事を転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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