東京大学新聞社は、各学部・研究科への問い合わせを基に2017年度卒業・修了者の就職状況を集計した。学部卒業者では昨年度に引き続き三菱UFJ銀行(昨年度まで三菱東京UFJ銀行)が、大学院修了者ではコンサルティング大手・アクセンチュアがトップ。中央省庁への就職は、学部卒業者では国土交通省が、大学院修了者では経済産業省と国土交通省が最多だった。
学部卒業者の就職先企業では、昨年度に引き続き三菱UFJ銀行が1位を維持。ここ7年間で6回目の1位だ。他のメガバンクでは、三井住友銀行が3位を維持したものの、みずほフィナンシャルグループは4位に後退。昨年度のように、メガバンクで3位までを独占とはならなかった。
新たに存在感を見せたのが外資系コンサルティング企業だ。過去3年間でトップ20圏外だったアクセンチュアが2位に躍り出たほか、マッキンゼー・アンド・カンパニーが7位に躍進。日系コンサルティング企業でも10位にシンプレクスがランクインしている。銀行・商社など昨年度と顔ぶれは大きく変わらないが、若干の入れ替わりは見受けられる。前回10位にランクインした電通、11位にランクインしたワークスアプリケーションズがトップ20から姿を消したほか、2年連続で4位につけていたNHKが17位へ大きく後退。NHKの11位以下への転落は、ここ5年では初めての出来事だ。
大学院修了者では、アクセンチュアが35人で1位に躍り出た。アクセンチュアは前回3位につけて20位以内に急浮上。今年もその勢いを維持した。対して前回1位だったトヨタ自動車は2位に転落。前々回までトップだった日立製作所は首位返り咲きとはならなかった。ここ4年で48人→40人→34人→26人と徐々に人数を減らしている。
大学院修了者は前回同様、20位以内の入れ替わりが激しかった。ランキング上位に入った企業の多くはその勢いを維持するも、前回ランクインしていた三菱重工業やアステラス製薬が姿を消した。対して、日本IBMや富士通、ヤフーは2年ぶりのランクイン。さらに旭化成は6年ぶりの20位入りを果たした。
中央省庁の就職者数は、学部卒業者で前回1位の財務省が6位に大きく後退。昨年2位の国土交通省が1位となった。森友学園への国有地売却をめぐる報道を受け、財務省を避ける動きがあった可能性がある。その他は総務省、経済産業省、警察庁など大きな変化がない。大学院修了者では昨年度5位の経済産業省が昨年度1位の国土交通省に並んでトップとなった。昨年度6位だった総務省は、3位に躍進した。
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《データの集計方法》
2017年度卒業・修了者は2018年3月卒業・修了者以外にも、2017年9月卒業・修了者などを含む。
データは各学部・研究科への問い合わせを基に作成しており、各学部・研究科に報告していない者や、就職を辞退した者などの人数が反映されていないため、実際の就職者数とずれが生じる場合がある。一部の学部・研究科では進学者数が未公表になっている。
この記事は、2018年7月3日号に掲載した記事を再編集したものです。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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