政府は4月29日付で2020年春の褒章を発令し、紫綬褒章に東大の現職の教員から川上憲人教授(医学系研究科)と山内薫教授(理学系研究科)が選ばれた。同褒章は学術などで優れた業績を上げた人に与えられ、今回は両教授を含め計19人が受章した。
川上教授は精神保健学や精神看護学、公衆衛生学が専門。特に、働く人のストレスや心の健康問題を扱う「職場のメンタルヘルス」の分野で、働く人のうつ病予防などの研究や現場での実践に注力した。低所得かつ医療が未発達の国でどのように心の健康を守るかといった「国際精神保健」や、被災地での精神保健調査にも取り組んだ。
山内教授は、化学反応の過程における分子の変化を研究。一定の高強度の光の場の中で「物質と光が混ざった状態」が生成することなどを、実験装置の開発と共に発見した。100京分の1秒単位で電子の運動を観測・操作する研究にも貢献。さらに光科学分野の教育プログラムを創設するなど、人材育成にも携わった。
同日には春の叙勲も発令された。公務などに長年従事し、業績のある人に与えられる瑞宝中綬章には、東大の関係者として阿部啓子名誉教授(10年に食品科学の研究で紫綬褒章を受章)らが選ばれている。
この記事は2020年5月12日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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