第62回全国七大学総合体育大会の開会式が7月8日、主管校である東大の本郷キャンパス東京大学大講堂(安田講堂)で開催された。コロナ禍を経て4年ぶりの制限なしでの開催となり、各大学の総長をはじめ多くの卒業生や在校生が参加した。式後にはレセプションも催され、盛り上がりを見せた。(取材・五十嵐崇人、安部道裕)
大会会長である東大の藤井輝夫総長は開会式で、60年以上の歴史を誇る七大戦が、昨年に引き続き今年も無事に開催されることを喜んだ。主力となる4年生が、コロナ禍で制限された学生生活の中でも努力や工夫を惜しまず鍛錬し、部をけん引してきたと称賛。七大戦を通して、選手同士が互いに切磋琢磨(せっさたくま)し信頼関係を築き、人として成長できることを願った。
大会実行委員長の東大運動会総務部松尾一輝(工・4年)さんは「原点に返り、深化させる」というスローガンを紹介し、コロナ禍を経て再び七大戦を盛り上げようという意気込みを語った。自身の学生生活を振り返り、制限のある中でも研究や工夫を重ね、少しでも上達しようと努力を惜しまなかったと話した。そうした試行錯誤や鍛錬の経験が七大戦でぶつかり合うことで、今までにない喜びや感動が生まれるだろうと結んだ。
七大戦特別協賛の一般社団法人学士会理事長樺山紘一氏があいさつを述べた他、協力企業・団体が紹介された。選手宣誓は東大アイスホッケー部主将の中村勇太(養・4年)さんが務めた。
式当日時点で43種目中10種目が終了しており、以下のような暫定成績が発表された。
1位 東北大(60ポイント)
2位 東大(53ポイント)
3位 京大(45ポイント)
5位 九大(42ポイント)
5位 阪大(42ポイント)
6位 名大(36ポイント)
7位 北大(34ポイント)
休憩を挟んで東大応援部による演舞が披露され、応援歌「闘魂は」「淡青の空」「ただ一つ」などが歌われた。
式後のレセプションでは、料理や飲み物が用意され、開会式に出席した大会関係者らが立食式での懇談を楽しんだ。本年度は東大が主管校であることから東大生協とのコラボが実現し、赤門ラーメンや駒場丼などが提供された。この他東大生協コラボでは、福島から直送されたカツオ、ヒラメ、スズキといった新鮮な魚介類の舟盛りや、福島県産のあおさの味噌(みそ)汁も振る舞われた。
各大学の総長と実行委員が、それぞれ本大会への意気込みを述べる場面も。東北大の5連覇を阻止したい、最下位を脱出したい、今度こそ優勝したいなど、各大学の本音が垣間見えた。
企画コーナーでは、今年の五月祭総選挙でアカデミック部門1位に輝いたサイエンスコミュニケーションサークル、東京大学CASTがサイエンスショーを開催。コンデンサに電気をため、端の人が手を触れると、手をつないだ全員に電気が流れるというものだ。当日は湿度が高く、うまく電気が流れなかったが、各大学の総長や実行委員も参加し、盛り上がりを見せた。
東京大学運動会の公式マスコットキャラクター、イチ公も登場。各大学の実行委員との写真撮影後、会は盛況に終わった。
本年度の開会式は4年ぶりに人数などの制限がなくなり、約300人の参加者を迎えて盛大に執り行われた。