第30回「独創性を拓く 先端技術大賞」の受賞者が10日に発表され、学生部門で岩根由彦さん(理学系・博士2年)が最優秀賞に当たる文部科学大臣賞、増田造さん(工学系・博士2年)が優秀賞に当たるフジテレビジョン賞に選ばれた。東大院生の文部科学大臣賞受賞は2年連続。
岩根さんは、非天然アミノ酸からタンパク質やペプチドを翻訳合成した。翻訳反応の基質は20種の天然アミノ酸のみという生物の常識を覆し、創薬や新規酵素開発にも応用が期待されている。今後は「効率や正確性を向上させ、原理上可能な全ての非天然アミノ酸で翻訳合成を確立したい」と語っている。増田さんは、高分子薄膜に生体のような自律性を持たせた。がんを切らずに治療できるナノマシンなどに応用される。
「独創性を拓く 先端技術大賞」は優れた研究成果を挙げた理工系学生らを対象とする表彰。表彰式は7月28日に明治記念館で行われ、受賞者には副賞として研究奨励金が与えられる。
この記事は、2016年6月21日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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