東京大学消費生活協同組合(東大生協)は4月1〜19日の客数および売り上げについて、トラベル、食堂の部門で売り上げがどちらも昨年度同時期と比較して60%台の増加を見せていることを明らかにした。地区別では本郷・駒場地区で回復が大きく、営業時間の延長や対面授業拡大の影響を受けた結果となった。一方で、新型コロナウイルス流行前の数字には依然届かず、まだ生協は回復の途上にある。東京大学新聞社の取材に対し生協が23日に回答した。
生協では、客数、売り上げを購買、書籍、トラベル、食堂の4部門と本郷、駒場、柏、附置研究所の4地区に分け、それぞれ集計している。生協によると、トラベル部門が客数で昨年度の同期間との比較で185%、売り上げで同64%増加。食堂は客数で同64%、売り上げで同68%増加した。トラベルの増加については、生協によると昨年の該当期間が緊急事態宣言の狭間で客数、供給共に少なかったことが原因となっているという。購買、書籍も客数、売り上げで前年度比3%〜27%程度の回復を見せた。新型コロナウイルス流行前の2019年度の同期間との比較では、購買の売り上げが新入生のパソコン、教科書購入により12%減にとどまったほかは42〜72%程度の減少となっている。
地区別では本郷・駒場地区が客数、売り上げ共に21年の同期間との比較でおよそ24〜50%の回復を見せたが、柏、附置研究所はいずれも客数が同10%未満の増加にとどまり、売り上げは10%程度減少した。これは柏、附置研究所に学部がなく、オンライン授業の影響をあまり受けない地区だったこと、コロナ禍では研究費が旅費などに使用されず、その分パソコンなどの機器購入に使われていたことが関係しているという。部門、地区別の合計では、21年同期間比で客数は39%、売り上げは25%の増加、19年同期間比で61%、34%の減少だった。
東大生協では3月後半から4月にかけて、駒場食堂2階銀杏の営業再開の他、営業時間延長(駒場食堂1階若葉、中央食堂、本郷第二食堂、駒場購買部)、提供を中止していたメニューの再開(中央食堂、本郷第二食堂)、土曜営業の再開(中央食堂、第二購買部)などが行われている。また、新型コロナウイルスに対応した始まった書籍の配送サービスなどは対面授業中心になっても「完全対面になる(完全にコロナ禍前に戻る)ことも考えにくいので、今のところは併用」の予定という。対面授業再開について、生協は「体制がコロナ前ほど回復していないため行列等ご不便をおかけしております」とした上で、人員増強のため採用を行っているが体制回復にはまだ時間がかかるとコメントした。
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