駒場Iキャンパスの野球場で練習を積む東大軟式野球部。早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、法政大学の各軟式野球部とともに東京六大学軟式野球連盟に所属している。今回は、軟式野球では初の試みとなった全国七大学総合体育大会(七大戦)について、東大の戦いぶりを中心に寄稿してもらった。(寄稿=三宅偉斗・東京大学運動会軟式野球部)
8月22日、オープン種目として初開催となる軟式野球競技の七大戦が開幕した。今年は七大戦の主管が東大ということもあり、東大軟式野球部が各大学の軟式野球部に呼びかけ、軟式野球初の七大戦が実現したのである。今後は正式種目への昇格を目指し、オープン種目としての開催を重ねていく予定だ。今回は、東大の戦いぶりを中心に、初開催となった七大戦軟式野球競技の様子をお伝えしたい。
1日目
東大|0002102005|5
北大|210020000 |5
(十回裏途中、雷により中断。大会規定によりじゃんけんで勝敗を決定し、北大の勝利)
名大|0000000|0
京大|500310X|9
七大学のうち、大阪大学以外の六大学の参加となり、3日間にわたってトーナメント形式で行われた今大会。東大の初戦の相手は北海道大学だ。
東大の先発は林隼介(工・3年)だったが、初回から味方の連続失策によりピンチを招くと、続く打者に適時打を浴び、先制を許し、続く二回にも適時打を浴び、3点差とされる。
三点差のまま迎えた四回、二死一二塁で益田健太郎(薬・3年)の打球がファースト強襲の安打となり、2点を返すことに成功する。続く五回には、四球で出塁した増田悠佑(工・3年)が二盗、三盗を決め、真田恒(育・3年)の犠飛で生還し、同点に追いつく。
その後、五回に適時打を浴び、再び2点差とされるが、七回に三宅偉斗(文・2年)の内野ゴロの間と杉村奎伍(文II・2年)の押し出し四球でそれぞれ1点を返し、再び同点とする。
その後は佐藤圭佑(理I・2年)、檜山岳(理I・2年)がそれぞれ2回無失点の好投を見せ、同点のまま延長へと突入する。延長十回の表、東大は竹内絃(理I・2年)や益田の適時打などで5点を獲得する。しかし抑えれば勝利となる十回の裏の最中、突如雷雨が降り注ぎグラウンドが水浸しになってしまったため、主審は試合の続行が不可能と判断。試合は九回終了までしか成立していないため、十回表の得点は無効となり、同点扱いとなる。準決勝進出校を決めるため、主審の立ち合いのもと両校の選手9人ずつによるじゃんけんが行われ、その結果、5─5で東大の敗北となった。
1日目はこの試合の他、名古屋大学対京都大学の試合が行われ、京大が9─0で七回コールド勝利をあげ、準決勝進出を決めた。
2日目
東北大|00205200|9
北大 |00023000|5
九大|1016004 |12
京大|11000011x|13
2日目は準決勝が行われ、初日に勝ち上がった北大、京大がそれぞれ東北大学、九州大学と対戦した。北大対東北大は9─5で東北大が勝利した。京大対九大は、京大が最終回裏に10点差を逆転してサヨナラ勝利を挙げるという大逆転劇を演じ、決勝進出となった。
3日目
東大|311111|17
名大|00010X|1
九大|100000|1
北大|00252X|9
東北大|002200200|6
京大 |01010016X|9
3日目は、東大対名大の5位決定戦、北大対九大の3位決定戦、東北大対京大の決勝戦が行われた。
名大との5位決定戦に望んだ東大は、初回から猛攻を見せる。無死一三塁から増田の適時打で先制すると、竹内も適時打を放ち、初回から3点を獲得する。その後も順調に得点を重ね、四回には野田浩輔(理I・1年)、笹田太一(理I・1年)の適時二塁打や片山大誠(文I・1年)の本塁打などで11得点を奪い、五回までに17点を獲得する。
投手陣も、先発の安藤拓登(工・3年)が3回無失点と好投すると、寺本光希(理I・1年)が1回1失点、本岡真秀(経・3年)が1回無失点と繋ぎ、五回までに1失点と素晴らしい継投を披露した。規定により17─1で五回コールド勝利となり、東大は5位という結果で七大戦を終えた。
北大対九大の3位決定戦は、北大の投打が噛み合い、9─1でコールド勝ちをおさめて北大は三位に輝いた。
東北大と京大が対戦した決勝戦では、二回に京大が先制すると、三回に東北大が逆転に成功し、終盤まで東北大ペースで試合が進行した。6─3で東北大がリードする八回、京大は打者一巡の猛攻を見せ6点を奪い逆転に成功し、そのまま9─6で京大が勝利し、七大戦の軟式野球種目は、京大の優勝で幕を閉じた。
東大の結果としては5位という悔しい結果となったが、初開催となった七大戦自体は大きな盛り上がりを見せ、各大学との交流も行え、次回以降の開催が楽しみとなる大会であった。今後の更なる発展に向け、尽力していきたい。